
京都100年かるた
#け #そ #よ
「京都100年かるた」は、
京都の〝100年〟にフォーカスをあてたもの。
遊びながら、京都を知る・学ぶ・楽しむことができます。
リサーチ、インタビュー、
撮影を元に絵札と読み札の作成をしています。
京都いろはかるたを参考に各47枚。
シリーズ化を目指し、第一弾は京都の河原町。
新しいお店が建ち並び、観光客で溢れかえる街の中には、
実は、人知れず100年以上の歴史を持つ
お店や建物が残っています。
新しい中にも古き良きものが残り、
伝承されている河原町にスポットをあてています。
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#け
「けちらんと」
機械化進むも
この道具
高倉通 「福井徳製畳店」 創業 130 年
京都の畳屋さんは「仕立て」ることが仕事だそうです。
藁を滋賀、ござを熊本、へりを福井
他県から仕入れたものを縫い合わせます。
それぞれの品質の特化したものを合わせ、
御所に献上していた文化が残っているそうです。
お店に入ると、どこか懐かしい畳の匂いが。
床には畳の切れ端や藁が落ちていて、壁には大きな畳が立てかけられています。
驚いたのが、
使い方の検討もつかない道具たち。
藁とござを縫い合わせる長くて太い釘や、
まち針、藁をならすための形に特徴のある木槌、
はみ出た藁やござを切り落とす大きく年季の入った包丁など。
道具の話を聞いて、一番印象に残ったのは
「安もんをこーたら(買ったら)あかんで。道具はケチったらあかん。」
という言葉。
最近、
畳づくりの過程で機械化が進んでいますが、
この畳屋さんでは良い道具を長い間ずーっと使い続けるそうです。
機械は融通がきかず、
そして安物の道具はすぐダメになり消費するのが早い。
それに比べ、
上物の道具は長い間使うことができ、
自分の癖に合うように少しずつ変化します。
創業以来使い続けている木槌や、
研ぎ続けて50年もつ包丁など、
手づくりならではの道具への強いこだわりを感じました。
福井徳製畳店
〒604-8105 京都府京都市中京区 高倉通姉小路上る亀甲屋町607
TEL/FAX:075-221-5759
営業時間:08:30~18:00
URL:http://tatami-fukui.com/
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#そ
蕎麦本業
隠居仕事で
菓子づくり
姉小路通 「河道屋」 創業 295 年
京銘菓として有名な蕎麦ぼうろのお店「河道屋」
そのお店の側に、蕎麦屋の「河道屋」もあります。
その訳は江戸時代、元禄にさかのぼります。
蕎麦を本業としていた河道屋安兵衛ですが、 お店が衰退し危機的状況になっていました。
どうにか立て直そうと隠居した後に、
当時南蛮貿易で伝来したものの中に “ボーロ” をみつけ、
その手法に習って蕎麦ぼうろという菓子を完成させたのが
初めだと言い伝えられています。
一般的に蕎麦ぼうろと呼ばれる菓子ですが、
河道屋では蕎麦ぼうろではなく “蕎麦ほうる” と呼んでいます。
なぜ蕎麦ほうると呼んでいるかというと、
南蛮貿易で “ボーロ” が伝えられた際に
オランダ語で “Pole”、ポルトガル語で “Bolo” と読みますが、
日本人が正しく読むことができず
「ボーロ」を「ほうる」と発音したのが由来だそうです。
河道屋の蕎麦ほうるは
「はな」と「つぼみ」の二種類の形があります。
今は型抜きを機械で行っていますが、
昔は全て手作業で「はな」の型で生地を抜き、
真ん中を「つぼみ」の型で抜いて焼き上げていたそうです。
普通なら、
つぼみと言われる部分は捨てられてしまいがちですが、
江戸時代のもったいない精神から一緒に販売したのだとか。
余計なものは入れない、
素朴な味が 16 代続く意味を物語っています。
総本家 河道屋
〒604-8092 京都市中京区姉小路通御幸町西入ル
TEL:075-221-4907
FAX:075-255-6443
フリーダイヤル:0120-221497
定休日:正月以外無休
営業時間:8:30-18:00
URL:http://www.kawamichiya.co.jp/
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#よ
四百種
その場で選ぶ
食の友
堺町通 「市原平兵衛商店」 創業 254 年
お箸は弥生時代頃、
食事するためのものではなく神様へお供えするための
道具として使われていました。
食事の際に使うようになってからも、
ハレの日に使用する祝い箸は、
お腹に子どもを授かった卵型をモチーフにしており、楕円型です。
片方は自分、
そしてもう片方の先端に神様が宿ると言われており、
お箸は私たち日本人の食・信仰の文化の根っこにあります。
江戸時代から254 年、
宮廷御用達のお箸専門店として続く「市原平兵衛商店」
食卓で使うものから料亭などで使われる調理用、
様々な素材で作られたものや、 漆・螺鈿を施したものなど、
店内には400種以上のお箸が置かれています。
このお店では店を継ぐ使命として
「一代に一品以上の箸を作ること」という決まりがあり、
先代は希少なすす竹(古民家の屋根裏からとれる竹。
囲炉裏や釡の煙を吸って独特の茶褐色や飴色をしている竹) を
使用した”みやこばし” を。
現在お店を任されている8代目は、
育ってから3 年目の若い竹を使用した” 平安箸” を発案したそうです。
市原平兵衛商店は卸売を一切していません。
「お客様一人ひとり、その人にあった箸を。
手に取ってゆっくりと自分に合うものを選んでほしい。」
お箸の職人自らが店に立ち、
お客様の要望を聞いて400種以上の中から一緒に選びます。
その姿はまるでお箸のソムリエのようでした。
ご主人の受け継いできた想いが、
今でもお箸専門店として愛されている証拠だと思います。
市原平兵衛商店
〒600-8081 京都府京都市下京区 堺町通四条下ル小石町118-1
TEL:075-341-3831
営業時間:10:00~18:30(日・祝11:00~18:00)
定休日:日曜日(不定休)
2018.12.01更新