京都文化
トリハダ通信
2

JAPANを学ぶ

京都文化トリハダ通信

まずは木地づくりから
学生による 漆芸授業レポート(4)

Kyoto Art class
Report #2
“Shitsugei”
by Suzuki Hinae

学生による 漆芸授業レポート
基礎美術コース 2年
鈴木 日奈惠

(4)_「受け継がれる技術と心」

引き続き、お盆の形にしていきます。
大体の形ができてきたら、
トンボで深さを測りながら刳り続けます。
自分の決めた深さまでたどり着いたら
次は側面の内側を刳っていきます。

脇を締めて
体重を乗せて
刳る

Kyoto Art class
Report #4 “JAPAN~Woodland~”

この作業を側面内側の全体に繰り返します。

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Report #4 “JAPAN~Woodland~” (4)_「受け継がれる技術と心」

左側が私、右側が先生です。
先生のノミさばきに圧倒されます。

  • 椿昇先生のコメント

    今の学生で情けないのは
    「圧倒されました」で終わること。
    腹の中で「絶対に抜いてやる」という気迫は
    君に有りや無しや!

 

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だんだん繊細になっていく作業

木地作りは、だんだんと繊細な作業になっていきます。
「優しく、ノミ叩いたってな」
この、 叩いたってな
という言葉が、
先生方が生きている物を扱っていることを
意識している証拠です。

みんなのノミを叩く音も、
だんだん優しくなっていきます。

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Report #4 “JAPAN~Woodland~” (4)_「受け継がれる技術と心」

ゴンゴンゴン
だったのが
コンコンコン
トントントントン
という音に変わっていきました。

最初は大きすぎてうるさいと思っていましたが
最後の方には優しくリズミカルな音に変わっていて、
作業をしながら聴いていて心地よく感じました。

  • 椿昇先生のコメント

    昔はお医者さんは打診とって
    トントン体をたたくだけで病気を探す能力がありました。
    今は「はいMRI撮りましょう」で終わり。
    なんでも一気に変えずにバランスが大切だね 。

Kyoto Art class
Report #4 “JAPAN~Woodland~” (4)_「受け継がれる技術と心」

内側の角度を測るための
厚紙を少し切った特製定規

そして
平らにするのに、私たちの技術では丸ノミだけでは
到底ムリなので、
先生の道具を貸してもらいました。

  • 椿昇先生のコメント

    新しいコースで、
    十分に機材を揃えてあげられず
    先生には甘えっぱなしです。
    4 年生まで揃うと機材も完備します。

表面を平らにするには、
コテノミという道具を使います。
このコテノミを手で押して、
盛り上がっているところを削ります。

私はノミの跡を残した仕上げなのでコテノミは使いませんでしたが
丸ノミよりは圧倒的に平らになるでしょう。

  • 椿昇先生のコメント

    七条の鍛冶屋さんにコテノミ買いに走りました。
    感動したので、今度君たちと行きましょう。

 

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最後に信じるのは自分の目

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Report #4 “JAPAN~Woodland~” (4)_「受け継がれる技術と心」

荒い仕上げの場合、表面が
キレイすぎると逆に不自然になるので
キレイになりすぎないように。
逆にキレイ仕上げの時は
キレイな方が良いです。

離れてみて自然だったら OK
最後に信じるのは、自分の目です。

  • 椿昇先生のコメント

    まだまだ見た数が圧倒的に足りないからね、
    そんなちっぽけな目を信じちゃダメ!
    先生は博物館にいる。
    歴史を生き抜いて来た銘品を繰り返し見よう。
    木彫の仏像などもたくさん見ておこう。
    今の目と十年先の目は別物。

そうして、微調整を繰り返しながら
次は、最後の最後の仕上げに入ります。

 

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「離れてみて自然だったらOK
これは、暗黙知という
長年の経験やノウハウ、直感、勘やイメージといっ
経験的知識として語られる知識が活かされるものです。
新宮先生と古川先生は
この暗黙知をたくさん持っています。

私たちは先生方とは
月とスッポン、天と地、雪と墨、雲泥の差。

樂焼でもそうですが、職人さんの世界は
暗黙知がお師匠さんから受け継がれることが多いと思います。

私たちは 新宮先生、古川先生
お二方のお師匠さんたちから
暗黙知
受け継いでいくのです。

また、それは技術に限ったことではなく、
生き様や、精神性も
受け継いでいきたいと思うのです。

  • 椿昇先生のコメント

    簡単に言うたらあきまへん(笑)
    受け継ぐには30年かかるけど、
    入り口に立つぞという気迫が重要。

2018.12.15更新

つづく