KYOTO T5
VISIT
RCA& HEAD

KYOTO T5 研究センター長が
ロンドンとジュネーブとヘルシンキへ。
出張報告(2)

KYOTO T5 VISIT
RCA& HEAD #2
SAKAI YOSUKE

出張報告
ロンドン、ジュネーブ、ヘルシンキ
酒井 洋輔

KYOTO T5の研究センター長 酒井洋輔による
ロンドンとジュネーブとヘルシンキの出張日記。

ロンドンのRoyal College of Art ,RCAと
ジュネーヴのHaute École d’art et de design Genève ,HEAD
世界でも著名な2大学にて「京都の伝統工芸」を
独自の視点で切り取った講義とワークショップを開催。
その様子と内容、学生の様子、
それから「旅のおまけ話」をここに寄稿していただきました。

 

 

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HELSINKI

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

10月ですでに紅葉のピーク。
京都の方が紅葉が似合うと思うが、光の質はさすが北欧。

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

ヤキソバ。
パクチーとレモンがついていて、しかも汁だく。
フィンランドアレンジ。

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

レストランSeaHorseはイケてる。
Wiener Schnitzel(ウィンナーシュニッツェル)の上に玉ねぎのリング。

 

 

LONDON

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

よく行くコーヒー屋のコーヒーのサーブの方法。
おかわり大前提。

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

ヒースロー空港の
セキュリティチェックのディスプレイはかわいい。

 

GENEVA

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

こんな背景を背負って卓球してみたい。

夜のレマン湖に白鳥。発芽みたいな写真になった。

夜のレマン湖に白鳥。
発芽みたいな写真になった。

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Geneva HEADの授業予定表を見せてもらった。
日本の大学の変えないといけないことはこういうところ。

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

大きな大きなハトの小屋。
なんのために。誰が。

 

 

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「フィンランドのセカンドハンド」

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

「フィンランドのセカンドハンド」

たしか5年くらい前に、
フィンランドの老舗陶器ARABIAの製品が
MADE IN FINLANDではなくなった。
新聞の一面で報じらていたと記憶している。
「フィンランドで作られている」と思えなくなったのは、
製品にとっても住む人にとっても
幸せなことだと思えない。
株価?
というような意味での企業の価値や知名度は、
それでも上がるし、
ブランディングには成功してるように見えるけど。
だからどうした!
大切なことを失ってどこへ向かう?
と個人的には思っている。

それで、ここ何年も
中古をちょこちょこ買っている。
あんまり安くない。
だけど、ほぼ確実にそれらはMADE IN FINLANDである。
イッタラもアラビアも
「新品」は日本や他の国でも買える。
日本で買えるものを
わざわざその土地に行ってまで買おうとは思えない。

できるだけそこでしか買えないものが欲しい。
できるだけそこで作られたものが、
その空気をまとった物事が欲しい。
この先、もっとそういう時代になるだろう。

その意味でセカンドハンドは一期一会で、
自分で見つけた」感もある。
不思議なことに「どこで買った」
という思い出も規制品に比べて強く残る。
それに買って帰ったけど、日本に売ってた(残念!)
っていう思いをしなくてすむし。
何よりもそのクオリティが明らかに良い。
いろんな国のいろんなマーケットで
いろんなものを見たけど
昔々のアラビアやイッタラの製品は
かわいいけど隙がないっていうか
完成してるけど未完成っていうか
まあとにかく特殊な雰囲気を持っている。

寒くて家にいる時間が長い北欧という土地は、
「ファッション(服)」のような
家の外のための物よりも
家の中を大切にしているのだろう。

iittala
ARABIA

 

 

「SAUNAに行かないと1日が終わらない」

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

最寄り駅から、新興住宅地を徒歩で約20分。
今まさにすごく工事している、
道なき道を不安になりながら進む。
とその先の、また先、にやっと見つけたソンパサウナ。

なんと、無料。
脱衣所とかなく、適当にやってくれという雰囲気。
道端に着替えるためのハンガーラックがある。
高度に発展した都市生活とのギャップに揺さぶられる。
ここは本当にヘルシンキ?

助けを求めるように、
外にいた管理人らしき人に
「ここはサウナ?」と聞いても
「そうだよ、サウナだよ!(笑顔)」
と言ったきり何の説明もしてくれず、
曇り空の彼方へ行ってしまった。

もう寒いので、勇気を出して裸になって、
この小屋に入るしかないな!
1人で服を脱いで、持参したタオルを持って小屋に入る。
長方形の小屋の真ん中にドアがついてて、
入って正面に細長い窓。
そこから海が見える。
右側にはカップルが寝ていた。
ので左側へ。
「ハロー」とあいさつして、適当に会話する。

女の子の方が暑さに耐えかねて、
湖に飛び込むのを
男は小屋(サウナ)の窓から笑いながら見ている。
「いつもだいたい5時くらいから混み出すんだよ、
仕事の終わりの人がたくさん来る。
そのタイミングだと、満席で立ちの人もいるぜ」
「そんな人気なのここ…、あなたは今日は休みなんですか?」
「笑 スキップして来たんだよ。
定職じゃないから、まあ適当に。
仕事のストレスとかプレッシャーがなくていいぜ」
ドーンと飛び込む。
10月、ヘルシンキの海は
呼吸がうまくできないくらい冷たい。
2回くらい往復していると、
三人組の女性が入って来た。
2人は水着着てるけど、
なんと1人は裸!(ぼくも裸)

この野ざらしのサウナは、
ボランティアが運営しているそう。
サウナって、小屋建てて、ストーブ置いて、
上に石置いて、水かけたらいいんだな。
だいたいいくらくらいで作れるんだろうと想像する。
ここには更衣室も、男も女も、シャワーもない。
それでも人がやって来てサウナに入って
海に入って会話して帰っていく。
本当に何が必要で、何が不必要なのか。
きっとここに来ないと
1日が終わらない人がたくさんいるんだろう。

Sompasauna

 

 

「アルゼンチンのマテ茶」

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

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RCAのアルゼンチン出身の学生が教えてくれた。
アルゼンチンのお茶は
専用のコップと専用の金属製ストローで飲む。
ストローの先に工夫があり、
葉を吸い込むことなく飲めるようになっている。
味はストロングで苦め。
コーヒーの習慣と共にアルゼンチン(南米)では
とても愛されているようだ。

ストローの先から
茶葉が入って来ないようにする仕組みが、
スプリング式なのが粋だと感じる。
日本の急須はネット式。
だからこれもネット式でもいいと思うのに、
なぜスプリング式がスタンダードとして
採用されているのかが、気になった。
(すみません、理由を聞くのを忘れた)

ともかく、
このマテ茶はまだ日本では流行していないので、
ビジネスチャンスである。
マテ茶の味はもちろんのこと、
コップに直接、茶葉を入れて蒸らし、
ストローを突っ込んでそのまま飲むということと、
ステンレスの「マイストロー」を
持ち歩くということが
「オシャレに見える」のではないかと思った。
スターバックスがもうすぐプラストローから、
紙ストローに変わるみたいだけど
アルゼンチンではずっと昔から、
「マイストロー」文化があったわけだ。
温かいお茶を
ストローで吸い込む感覚は初めてだったけど、
違和感もなかった。

 

「ジュネーブのサウナ」

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

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レマン湖のほとりにサウナがあると聞いて、
本当にやってるのか疑いながらやって来た。
営業してた。
そのサウナの驚きをここに書いてみる。

①サウナで熱くなった体はレマン湖で冷やす。
が、多くのお客がジャンプしてダイブしていた。
(サウナ内から見える・おもしろい)

②混浴!
(若い美女の裸=プレシャス!)

③ビールやサンドウィッチ、
プレートにワイン、何でもある。

④1人あたりの平均滞在時間は4時間以上(予想)

⑤日光浴する場所が混んでいる。
本を読んだりぼっとしたり思い想いの過ごし方。

日本でサウナっていうと、
おじさんのイメージと汗のイメージでしょう。
健康のために、という感じ。
それがジュネーブ式と大きく異なる。
ジュネーブ式は、
もっとリラックスでラグジュアリー。

日本でデートにサウナ行こうというのは、
まーまーあり得ないけど、
ここはありえる。
おじさんと若い女性のカップル数組がいた。
ここでは、
サウナのファッション化(イノベーション)を
目の当たりにした。
知らなかったサウナの使い方を提案された感じ。

日本人にハマるかどうかは分からないけど、
ここからは僕のアイデア。

①鴨川上流のある程度深さのある川沿いに

②カフェとサウナを合わせた小屋を建てる

③お客さんは初めはインスタ好きの若者
(目新しいおしゃれを探してる人)たち

④そのうち、老若男女

⑤週に1回はあそこ行かないと
やってられないという場所をつくる

⑥サウナはスチーム式とフィンランド式の2種

⑦スチームの方は真っ暗でプラネタリウム

⑧フィンランド式の窓からは
鴨川のグレイトビューが見える

⑨当然、鴨川へ飛び込んで熱くなった体を冷ます
京都の豊富な地下水をブランディングに活用したい。

 

「キッチンと学生」

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GENEVA HEADの
最もいいなと思ったところは、
学生が使っていいキッチンがあったこと。
そんなキッチン、
うちの大学(京都造形)にはない。

学生らは、そこを利用して
自分たちで料理して食べていた。
(僕はそこに偶然居合わせただけで、
ディナーにありついた訪問者)
ちゃんとワインもサーブされたし、
デザートにスムージーまであった。
みんなで囲める長く大きな机と
ちょうどいいサイズのミーティングルーム。
メインディッシュはパスタ。
ちょっと味がうすくて、みんな塩をセルフで追加。
さすがに23:00には完全撤収で
警備員が追い出す仕組みなので、
学内に泊まることは基本的にはできないそうだ。
泊まれると、完全に家化するのだろうから、
それくらいメリハリがある方がいいなと思う。

ないと思うけど、
自分が大学つくることになったら
学生用のキッチンは用意する。
料理は「ものづくり」で「デザイン」だ。
僕が普段やってる仕事は、
作ってから結果が出るまで、タイムラグがある。
半年とか1年とか。
でも料理は作ったその日に、すぐ結果が出る。
「美味しい!」かそうでないか。
「美味しい」は料理そのもののみならず、
お皿やグラスが大切だ。
照明やサービスが大切だ。
食材に乗ったストーリーも大切だ。
どこでどんな風に育てられたか分かんない材料に対して
美味しいと思うのは難しくなってきたね。
そして、誰と食べるかも大切だ。
という風に考えると、
キッチンを中心とした物事は
とても大切で学びに溢れる物事だと言えるだろう。

それを意識しているかどうかは置いといて
日常的に、やってるということが
プレシャスだなと思う。

2018.12.15更新

つづく