KYOTO T5
VISIT
RCA& HEAD

STUDENT WORKS

KYOTO T5 研究センター長が
ロンドンとジュネーブとヘルシンキへ。
出張報告(3)

KYOTO T5 VISIT
RCA& HEAD #3
SAKAI YOSUKE

出張報告
ロンドン、ジュネーブ、ヘルシンキ
酒井 洋輔

KYOTO T5の研究センター長 酒井洋輔による
ロンドンとジュネーブとヘルシンキの出張日記。

ロンドンのRoyal College of Art ,RCAと
ジュネーヴのHaute École d’art et de design Genève ,HEAD
世界でも著名な2大学にて「京都の伝統工芸」を
独自の視点で切り取った講義とワークショップを開催。
その様子と内容、学生の様子、
それから「旅のおまけ話」をここに寄稿していただきました。

 

 

(3)_STUDENT WORKS

STUDENT WORKS
at Royal College of
Art LONDON

学生がほぼ1日で、考え、制作した様々なアイデア。
ロンドン版。
なるべく多くを紹介したかったが、
写真がうまく撮れておらず 申し訳ないばかり。

 

「フィッシュ&チップスのアイコン」

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

ロンドン労働者層のリサーチ。
労働者の通う安いレストラン(パブ)などの
独自の文化(安い、うまい、早い)。
独自のコミュニティ。
現在、その類のお店は
マクドナルドなどのファーストフードになってしまい、
独自性は失われつつある。
またファッション化、観光地化へ向かったお店もある。
1つのお店を例にあげると
ブロードウェイマーケットへ出店し、
値段が信じられないくらい高くなったが、
労働者ではなくおしゃれな若者を
お客に迎えることに成功している。
というような話から、
ローカルフードのフィッシュ&チップス用の
簡易フォークをモチーフとして使った、
ブローチを制作。
労働者階級が育んできた物事
(例えばジーンズも労働者から始まっている)に対する
リスペクトの象徴となるといい。

 

「ロンドンマンホールのスタンプ」

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

都市に、
それぞれのマンホールのデザインがある。
無名のデザイン。
その1つのデザインを拝借した、スタンプ。
できれば本物のマンホールの様に
開くことができて、
中に空洞があるといいなと思う。
スタンプとしてもケースとしても使えるプロダクト。
とはいえ、
人は無名のデザインであるマンホールに注目してはいないので
まず、有名なエピソードを持つマンホールを
探すことから始めたい。
例えば “ハリーポッター”が
ロンドンのマンホールから始まる物語だったら、
このスタンプは売れると思う。

 

「MIND THE GAP TAPE」

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

MIND THE GAP。
通称チューブと呼ばれる
地下鉄で何度か移動すれば、
どんな人も頭に残るフレーズ。
降りるときに
「電車とホームの間の隙間にご注意ください」という意味。
日本でも必ず言われる
注意喚起のフレーズが「マインド ザ ギャップ」。
そのアナウンスの言い方がまた素晴らしい。
晴れ晴れする。
その言葉を使ったテープ。
紙と紙をテープで繋いだことがある人には分かるだろうけど
貼るときには、隙間に注意しないといけない。
それに「ギャップ」という言葉は、
日本では「隙間」というよりは
「誤差」という意味で使われることの方が多い。
SNSなどで知り合った相手と
実際に会う際には「MIND THE GAP」だ。
その意味で、とても「ロンドン」であり、
かつとても「今」なテープと言える。

 

「CHINESE DISH PUZZLE」

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

中国も伝統工芸の職人が減少している。
日本と同様のことはどこの国でも起きている。
小さい頃から、
伝統工芸に馴染み、愛着をつけておけば、
大人になってからも関心を持ってもらえる可能性がある。
と考える。
だからおもちゃとして、立体的なパズルを制作。
積木的なアイデアもプラスして、
もっと立体的で、クレイジーなパズルにすると
もっと想定外の面白さが生まれるのではないかと思った。

この他にも、
首相の家のドアをモチーフにしたものや、
マテ茶用のコップをロンドンのレンガで作ったもの、
そしてロンドンの横断歩道に必ずある
「LOOK RIGHT」のサインを 「LOOK UP」に変える
という提案などなど
面白いものはたくさんありました。
様々な切り口で、
ロンドンや出身国のことを
知り合う機会となりました。
そして、RCAの学生らがとても
KYOTO T5の活動を賞賛し
興味を持ってくれたことが素直に嬉しかったことです。

 

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STUDENT WORKS
at HEAD
GENEVA

学生がほぼ1日で、考え、制作した
様々なアイデア。 ジュネーブ版。

 

「ミグロのアイスティー」

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

よく分からないけど、
このアイスティーはただのアイスティーではなく
ジュネーブですごく愛されている、
アイスティーなのだそうだ。
人はこの商品のことをアイスティーとは呼ばず、
親しみを込めて 「ミグロのアイスティー」と呼んでいる。
そして、それは特に
レマン湖のほとりで飲むのがいいらしい。
それをなぜ、水着にしなければならなかったのか、
全然分からないし
こんなスケスケの水着は着ないだろうが、
広告としてはありだろう。
そんなに愛されているなら、
写真の様にパッケージが
バラバラに切られていたとしても
「あ〜あれだね」と分かるんだろうな。

 

「Jeûne Genevois」

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

Jeûne Genevois
<ジュンジュンヴァ(筆者耳による音)>
と呼ばれるジュネーブの祝日には
宗教的、歴史的背景があり、
断食を行う習慣がかつてはあったそうだ。
学生が言うには
「しかし、今はただの休日」になってしまっている。
アイコンとしてはプルーンパイが有名だけど、
別に皆食べない。
ただの休日になってしまったJeûne Genevoisに光をあて、
少し取り戻してみようとする。
プルーンで柄をつくった、
Tシャツ、キャップ、ステッカーや靴下などの
公式グッズの販売。
この様な表層的なファッション化も悪くないが、
Jeûne Genevoisの昔を知る人たちへの
インタビューなど、
ジュネーブでしかできないリサーチから
始めてみてはいかがかと思う。

 

「ジェドとウォシュレット」

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

彼の背景にある、
妙な棒はジュネーブの誇り。
もう100年以上存在している
大噴水「Jet d’Eau(ジェド)」をモチーフにしている。
一体、これは何かというと、
セックスグッズである。
SMプレイ時にピシッとやるアレ(名前分からない)。
ジュネーブにしたら
「私たちの誇りをなんてこと!」だろうと思う。
が、それがこのデザインの強さだろう。
無関心な人々の感情を
あおることができるというのは強さだ。
美しいものをけがらわしいものに変えた。
日本人の僕はジェドがウォシュレットに見えた。

 

「レマン湖の化粧品」

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

 

「チョコレートのフェイク」

KYOTO T5 VISIT RCA& HEAD#1

スイスはチョコレートが有名。
確かにハイレベル。
それから、 建設土方界の
フェイクのブロックタイルのテクニックも
ジュネーブ発祥なようだ。
一枚一枚張ったように見えて
実は初めから繋がっているというもの。
そんなことを発明し発展させたのが
お金持ちのスイスというのが「?」である。
ところで、
その2つの要素を組み合わせたらどうなるのか。
「板チョコ」ができる。
まさに板チョコである。
そして、写真のような器具は
サイズを小さくして、チョコレート業界にもあるそうだ。
全く違う業界なのに、
同じようなことをしていて
同じような器具を使っているという発見。
じゃあ、チョコレートの道も、
壁も意外と簡単に作れそうだ。

 

ここで紹介したもの以外にも、
他10程度のデザイン試作があったが
そのどれもが驚きの動きの速さ。
パッと見のクオリティの上げ方。
1日でこの反応を返して来るのだからすごい。
これは相当教え甲斐がある。
教え甲斐があるとないのとでは、
同じ先生でも別人に変わる。

2019.01.01更新

おわり