京都文化
サブイボ通信
2

能楽ってなんだろう?

(4)_山本能楽堂に行く

“能楽”とは?
学生によるお能の授業レポート(4)

Kyoto Art class
Report2
“Noh”
Text by Sakiyama Saki


京都文化 サブイボ通信2
能楽
基礎美術コース 1年
崎山 紗己

前回までは、たて花の授業を行なっていた、
京都造形芸術大学の建つ瓜生山の千秋堂で
舞と謡のお稽古をしていましたが、
数日間、山本先生の、大阪市中央区にある、
山本能楽堂で校外学習をさせていただきました。
山本能楽堂は有形文化財にも指定されていて、
そのよう素晴らしい場所で授業をさせてもらえるというのが
基礎美術コースの講師の先生方の凄い所。

山本能楽堂に行く

初めて生で見た能楽堂。
凛とした空気感の中、浮かび上がる松竹と凄い建築様式。
そこに現代の照明技術も加わって、
不思議な感じがしました。
(照明、実は色んな色に変えることができます。ピンクとか。)

今、松竹と言いましたが、松竹梅では無いのか。
と考えた方もいるかもしれません。
実は、梅がある舞台とない舞台があり、
山本能楽堂に梅は無いのです。
諸説があるそうですが、
梅は舞台に立っている役者のことで、
「あの人、あの芸に花がある」というように、
あえて描いていないのだそうです。

皆の興奮度も今日は凄く、
能楽堂にある全てのものが昔からある古いものなのに、
私たちには全てがとても新鮮で、
キラキラと輝いていました。
能楽堂では荷物運びのお手伝いなどもさせていただきましたが、
途中、能面や衣装を見せていただけたりと、
これが授業でいいの!?贅沢すぎない!?と、
皆口々に話していました。

山本能楽堂に行く

ずらりと並んだ能面。
みんなが気になった面を
山本先生が丁寧に演目に沿って教えてくださいました。
特に珍しかったのはこれ。

山本能楽堂に行く

よくみる般若の面はツノが2本なのに対して1本。
しかも取り外し可能!
山本先生は「昔版のユニコーンだよ」なんて仰っていました。

そして、能の衣装ですが、
大学でのお稽古の際に、歩き方の練習として、
能の装束を着られる特権付きで、
ゲーム形式の練習をしたことがあったと前回お話しましたが、
ついにその時の優勝者の発表です!

山本能楽堂に行く

じゃん!・・・似合ってる!
長い髪も、能面も全て着付けてもらっていました。

山本能楽堂に行く

優勝したのは、留学生のコン・テヒョン君。
凄い、おめでとう!
(この後しばらくテヒョン君の撮影会が始まりました。)
その後の片付けで、優勝者以外にもちょっと羽織る程度に、
衣装を纏わせてもらえたり、能面をつけさせてもらえる、
貴重な体験を沢山させていただけました。

山本能楽堂に行く

能面ですが、実際につけてみると
足元程度しか見えないほど視界が狭く、
これをずっと付けたまま舞をすることの難しさ、
凄さを身をもって感じることができました。
写真はとってもお茶目さんだけど、怖い。

 

形のないものに見えた生

このように、郊外学習1日目から
とっても楽しく能の道具や場に
触れさせていただくことができました。
今回、能楽堂で先生が見せてくださった、
ずらっと並べられただけの能面はやはり不気味で冷たいものでした。
ですが、それを身につけ、人が演じます。
能面を生かす人がそこにはいました。

能面は角度で表情を変えます。
無機質な面を使い、人が多彩な感情や物語を表現し、
まるで本当に生きている人の表情のように動かしていました。
能は形のない、遺産だと初回の記事で話しましたが、
この場では、能が生きている、
形なる瞬間を感じたような気がしました。

 

つづく

2019.03.15更新