京都文化
サブイボ通信
2

能楽ってなんだろう?

(6)_ 自分自身と向き合うこと

“能楽”とは?
学生によるお能の授業レポート(6)

Kyoto Art class
Report2
“Noh”
Text by Sakiyama Saki


京都文化 サブイボ通信2
能楽
基礎美術コース 1年
崎山 紗己

ついに基礎美術コース、
能の授業の5週間目の日になりました。
長かったようで短く、沢山の経験が詰まっていた今回の授業。
その集大成が、能と舞の発表会です。

再び千秋堂に戻ってきて、
くじ引きで決めたチームごとに鶴亀と橋弁慶を演じていきます。
どちらかというと、
まっすぐ真剣に自分の作品と向き合いながら静かに造り、
人前に出ることがあまりなかった基礎美術コースの16人。
みんなの前でそれぞれが5週間の精一杯の成果を発表します。

(6)_ 自分自身と向き合うこと

当初は正座に慣れなかった留学生組も、
綺麗な姿勢と堂々とした演技。
まっすぐとした自信を感じて、
5週間前とは纏っている個人の雰囲気も少し変わったような気がします。
たとえ間違えても途中で笑ったり、辞めたりせず、
最後まで通す継続力、忍耐力、自信。
それがこの能の稽古を通して身についた気がします。

(6)_ 自分自身と向き合うこと

この5週間頑張ったMVPメンバーには
山本先生からのプレ
ントもありました。
舞が得意な子、謡が得意な子、
自分の得意、不得意が少しずつこの5週間の中で見えたことだと思います。
得意を伸ばして生かす人もいれば、
不得意を努力で伸ばす人もいて、
自分自身としっかりと向き合うことや、
新たな強みの発見ができたような気がします。

(6)_ 自分自身と向き合うこと

知らないことが多かった能。
古典芸能としての面白さや深さに触れることができただけではなく、
姿勢や呼吸の整え方、
そして外面だけではなく、
内面の姿勢を見つめ直すきっかけをもらえたような気がしました。

前回のたて花で得た忍耐は、
勿論お能にもあると感じました。
基礎美術コースの基礎、とはなんなのかを
今回の授業を通して再び考えた時に、
美術としての基礎ではなく、自分自身を見つめ、
自分の土台の部分の再確認としての基礎。だとも感じました。
呼吸や姿勢、私たちが普段無意識の状態でしている所に、
今回の5週間で得た成果が
現れているんじゃないか、と思います。

そして、人間は呼吸をしなければ生きていけません。
呼吸は目には見えないものですが、
息を吸ったり、吐いたり、私たち自身は感じることができます。
呼吸をすることで、様々な細胞が活性化し、
筋肉が動き、私たちは毎日生きています。
能もただ飾られているだけの能面には骨董的価値しかなく、
演目の面白さや素晴らしさは
その場にいた人しか感じることができない、
形に残らないものですが、
一つの演目には沢山の人がいて、人の繋がりができて、
使われる道具ができ、そこに技術や感情が生まれる。
そうやって舞台の上で生きています。
能というものから一つの流れが生まれて、
呼吸をして体内を回すように、
様々な美を含んで伝わっていく、
伝統と継承というものを感じました。

能の授業はこのあと、1年間あき、
3年生になって再び学ぶことができます。
2年後までに沢山ある別分野の授業を通して、
様々な基礎を習得すると思います。
未来での私たちは、どんな気持ちと新たな姿勢で再び舞をし、
謡を唄いはじめることができるのか、楽しみです。
普段の授業中の姿勢にも気を使いながら、
新たにまっすぐ前を向いて学んでいきたいです。

 

おわり

2019.03.15更新