職人
interview
11

茶筒の職人
八木 隆裕さんにお話を
伺いました。
(2)

Traditional Craftsman
interview 11
Kaikado
Yagi Takahiro
開化堂
八木隆裕

空間デザインコース 2年
溝辺 千花

日本で一番古い歴史を持つ、
創業144年 『開化堂』 6代目 八木隆裕さんのお話。

茶筒の蓋を開けた瞬間の気持ち良さ。
そこに開化堂の“らしさ”が詰まっています。
「この仕事は継ぐな」と言われ、
継がないと決めていた隆裕さんは 一度、別の道を歩むも、
あることがきっかけで開化堂を海外へ展開していきます。
海外での実演販売などを重ねることで気づいた、
“日本らしさ”、“開化堂らしさ”とは。
そして隆裕さんの目指すスタンダードとは何か。

100年変わらず在り続ける、
茶筒と手仕事の魅力についてお話ししていただきました。

 

 

(2)_マニュアルのない、開化堂の“らしさ”

創業144年『開化堂』6代目 八木隆裕さんのお話

私たちは社会の最先端にあるものだけが
新しいとは考えず、古いと言われているものの中にも
新しさや、可能性はないかと考え
OLD IS NEW』を軸に活動しています。
開化堂さんは何を軸にされていますか。

蓋を開けた瞬間の気持ち良さ。
ここに
らしさが詰まっていると思う。
マニュアルなんてない。
工房にもマニュアルなんてありません。

 

京都生まれ育ち、仕事をされています
京都をう見られていますか。

文化のある街やと思います。
世界中から見ても京都って面白い。
面白い人が住んでるし、土地が安いし、
ご飯も美味しくて文化もある。
いっぺん外に出て見ると、面白さが見えてくるし、
なんで京都があるのか考えるようになる。

京都の古い町並みの写真を
SNSにあげる人がよくいますけど、
見栄えだけで京都ができているではなく、
京都の人の空気感があるから今がある。
地蔵盆があって、邪魔臭い付き合いがあって、
今の京都があると思う。
京町家がいいと言われ始めたのはここ最近。
自分は何が心地よくて次の代にどう繋ぐか、
ということだけを考えてやってます。

 

くりの良さや、面白いことはなんすか。

手づくりやから、良いものとはあまり思わない。
ただ、機械には
揺らぎ というものがありません。
完璧すぎる人って近づきにくい。
僕は揺らぎのあるものを作りたい。

開化堂の思うらしさ
作れるのがこの方法
(手づくり)やと信じているので、
そうしているだけです。

AIが出てきてるけど、
美しいとか、美味しいとか、
気持ち良いとい
うことは人間が決めること。
AIが決めることじゃない。
AI というのは、
いろんなことを単純化することなんです。
僕たちがやってるのは単純化することじゃなくて、
いろんな多様性をものに持たせること。
人間の感じる気持ち良いというのは、
みんな違うので、
それを大事にしていくというのは
AIでは出来ません。

 

24時間仕事だし、24時間オフ

創業144年『開化堂』6代目 八木隆裕さんのお話

日々大切にされていることはありますか。

常に一生懸命です。
手を抜くのが嫌。
それで変な結果になるとしても、
どうせなら思いっきりやりたい。
それが楽しい。
24 時間仕事だし、24時間オフ。
子どもを育てることも、
開化堂の次の代のことを考えたら仕事だし、
仕事も家族を養うことと考えたらオフみたいな感じ。

 

これからの『開化堂』。どうお考えですか。

僕が今目指しているのは
世界の
スタンダードになること。
入れ物としてのワールドスタンダードになりたい。
それでいて小さな会社でありたい。
一番大切にやってることは、
同じものをずっと作り続けること。
100年前からずっと、同じ直径、
高さのものを作っています。

これから僕らがやるべきことは、
100 年後もこれを作っていること。
今買ってくれた人が
100年後これを持ってきて、
僕たちが修理するということが僕たちがやるべきこと。
同じことをやりながら、
伝え方を変えていったりしてこれまでと変わらず、
同じことをやることが僕らのやることやと思います。

その中で
100年同じ茶筒を作り続けるためにはどうしたら良いのか」
っていう事を常に考え続けています。
なのでコーヒーの缶であったり、
パスタの缶を作ったり、
楽しいなぁと思ってもらえることを。
木に例えると、
枝の先が綺麗だとたくさんの人に見てもらえる。
そしてだんだん幹の部分に注目してもらい、
茶筒を知ってもらう。
これが僕たちのやるべきことやと思います。

創業144年『開化堂』6代目 八木隆裕さんのお話

 

おわり

2019.03.15更新