「ABLE DESIGN AWARD」
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ミラノサローネ
「ABLE DESIGN AWARD」(1)

Milano Salone
「ABLE DESIGN AWARD」

Kaori Kume

ミラノサローネ
「ABLE DESIGN AWARD」
ビジュアルコミュニケーションデザインコース1年
久米香織

私たちKYOTO T5は、
京都という街に根付く伝統文化、
そして職人さんのことについて学び、
「京都はこんなに奥が深いんだぞ!」ということを
伝えるために活動しています。

そんな私たちKYOTO T5は、
12 月上旬から2月上旬までに行われた、
株式会社エイブルが主催する空間のデザインコンペ、
ABLE DESIGN AWARD」に応募しました。

 

 

(1)_ミラノサローネへの道

この「ABLE DESIGN AWARD」は、
今回で第10回目を迎えるコンペティション。
まず、1月上旬に書類審査にて一次審査が行われ、
そこから
7組が選抜。
そして、25日に東京のエイブル本社にて
模型を用いたプレゼン審査が行われ、
そこからファイナリスト2組が選ばれます。

そのファイナリストに選ばれた2組は、
なんと!!!
4月にイタリア、ミラノにて行われる
ミラノサローネに出展できる権利が与えられ、
さらに!!!!
海外の優秀な大学と勝負し、
そこから「グランプリ」が選ばれるのです!

なぜ研究員の私、久米香織がこの記事を書いているのかというと、
私と、川口水萌、鈴木日奈恵、多田照美
(情報デザイン学科からの選抜メンバー)の
4人が
一次審査、二次審査共に通過し、
ミラノサローネに出展できる権利を
獲得することができたから!!なのです。

さっきから、「ミラノサローネ」
という言葉を連発してしまっている私ですが、
「ミラノサローネ」とは何かご存知でしょうか?
「ミラノサローネ」は、昨年には40万人が訪れた、
世界中から人が集まる国際的な家具の見本市です。

今回のコンペティションにて
私たち学生側とやりとりをしてくださった方の話によると、
ミラノサローネが開催される時期は
ホテルの値段が通常よりもめちゃくちゃ高くなったり、
ミラノサローネのためのツアーが組まれたりするそうです。
改めて文字に起こしていると、
「なんてところにいけてしまうんだ
!」と
若干そわそわしてしまいます。

話を戻すと、
この「
ABLE DESIGN AWARD」には
テーマが設けられています。
そのテーマとは「Laugh~幸せを呼ぶ空間~
このテーマに沿って、4×4×4mで空間を考えます。

私たち4人は、
この「
Laugh(=直訳すると笑顔とか、幸せ、という意味)」について、
12月下旬からプレゼン審査があるその日まで、ずっと考え続けました。

そして、私たち4人が一次審査で出した空間は、

ミラノサローネへの道

こういうもの。

日本で作られ、日本だからこそ持っていけるもの=提灯
を使った空間です。
竹ひごで作られた空間の中に浮かぶ「!?」の形をした提灯。
その「!?」の提灯の下、
「○
」の部分は、
私たちが丸型の提灯をかぶって「!?」に加わる。
ミラノサローネに展示を持って行こうとなった時、
遠くからでもインパクトがあるようなデザインの空間。
私たちは、最初「Laughは、「!」と「?」から生まれる」という解釈で、
一次審査の書類選考を提出しました。

そしてこのコンペには、
私たちの他にも、もう1チームが
KYOTO T5から参加していました。
そのチームの提案は、「魔境」を使った空間でした。

この一次審査の書類を提出するまでにも、
私たち9人は色々な方にたくさん相談させていただきました。

気になる書類審査の結果発表の日。
先に一次審査通過のメールが届いたのは魔境チームでした。
私たち提灯チームも結果発表を待ちましたが、
夕方になってもメールは来ず。
「だめだったかも」「でもまだ諦めたくないな」
と思いながら、私はバイトへ。

バイトを終えてケータイを見ると、びっくり!!!!!!
「みんな!これからもよろしくね!」という連絡が
4人のグループLINEに入っていました。

次回、2次審査であるプレゼンは東京。
あと3週間ほどしか時間はありません。

そんな時、私たち提灯チームの案が
根底から覆されるような大事件が発生しました。
一次審査の時点では「4×4×4m」だった空間が高さが変更になり、
4×4×3m」になったのです。
そうなってしまうと、私たちが考えていた空間では
不恰好な提灯になってしまいます。
これでは、空間が「ビシッ!!」と決まりません。
空間は、考え直しということになってしまいました・・・。

新しいアイデアを求めて私たちは
提灯の職人さんにお話を伺いにいきました。
一次審査の時点ではスケジュールが合わなかったことから
提灯の職人さんにお話を伺うことができず、
「まずは話を聞くことからだ!」となったのです。
訪れたのは小嶋商店さん。
創業は寛政年間という、老舗の提灯屋さんです。

ミラノサローネへの道

ものすごく緊張していた私たちでしたが、
小嶋商店さんはすごく真剣に、
気さくに話を聞いてくださいました。

提灯には、2つの作り方があります。
1つは「巻骨(まきぼね)」。
型に竹ひごを螺旋状に巻いてはめていく製法です。
骨の並びが美しいのが特徴です。
もう1つは「地張(じばり)」。
竹を割って骨にしたものを一本ずつ輪にして
型にはめていく作り方です。

太めの骨のため、分厚い和紙を貼ることができます。
巻骨に比べて地張は手間がかかってしまうため、
提灯を作っている家が減ってきてしまっているのが現状です。
そして、小嶋商店さんは地張で提灯を作っていらっしゃいます。

お話を伺っていく中で、
「提灯の中ってすごい綺麗やねん。
実は俺らは外側よりも中身の方が好きやから、
中から見たら一本一本こういう風になってんねやとか、
知ってもらえるやん。
正直外からだけやったら製法なんてわからへん。
外から見たら全部提灯は提灯やから。
そういうのを知ってもらえるのは俺ら的にも嬉しいねん。」

と小嶋商店さんがおっしゃった時、私たちはハッ!
となりました。
巻骨だったとしても、地張だったとしても、外から見たら同じ。
でも、中から見ると全然違うことがわかる。
実際に提灯の中を見せていただくと、
その綺麗さ、提灯が持つ温かみに純粋に、
心から感動しました。

「大きい提灯を作って、
中から見れるような空間を作ったらどうだろう?」
と、小嶋商店さんは提案してくださいました。

それだ!!それしかない!!

私たちは、そんな空間をミラノに持って行きたい!
そう思って、私たちは案を
『半分に切られた直径3mの大きな提灯の中に
くぐってもらうような形で入ってもらって、
そこから「
Laugh」を引き出す』
ものに変えることにしました。

そして小嶋商店さんに、
「もしプレゼンの審査が通ったら、
この提灯を作っていただけることはできますか?」
とお願いしたところ、快く承諾してくださり、
本当に嬉しかったです。
内心、拍手をめちゃめちゃしていました。

案を持ち帰った私たちは、
Laugh」の解釈、空間のコンセプトを考え始めました。
T5センター長の酒井先生にもお話を伺いながら、
私たちが導き出した案、「Laugh」の解釈は、
『一隅を照らすことが、「Laugh」を引き出すきっかけになり、
Laugh」の始まりになる』
ということ。
ここでいう「一隅を照らす」という意味は、
誰も見ようとしていなかったところを見てあげる」ということ。
提灯の中がどうなっているかなんて、
今まで生きてきた中で思ったこともなかったけど、
中を見てみると、とても素敵な世界が広がっていたし、
知らないままだと勿体無かったことがあった。

そのことを、この空間を通して知ってもらいたい。
私たちが提灯の中がどうなっているのかを知って
純粋に感動したように。

こうして、私たちが空間を通して伝えたいこと、
Laugh」の解釈は生まれましたが、
ここからは、どうプレゼンに落とし込むかの作業、
模型の制作が大変になってきました。

 

つづく

2019.04.01更新