「ABLE DESIGN AWARD」
1

ミラノサローネ
「ABLE DESIGN AWARD」(2)

Milano Salone
ABLE DESIGN AWARD

Kaori Kume

ミラノサローネ
ABLE DESIGN AWARD
ビジュアルコミュニケーションデザインコース1年
久米香織

私たちKYOTO T5は、
京都という街に根付く伝統文化、
そして職人さんのことについて学び、
「京都はこんなに奥が深いんだぞ!」ということを
伝えるために活動しています。

そんな私たちKYOTO T5は、
12 月上旬から2月上旬までに行われた、
株式会社エイブルが主催する空間のデザインコンペ、
ABLE DESIGN AWARD」に応募しました。

 

 

(2)_プレゼン審査


建築家の先生に相談させていただきながら作った模型ですが、
私たちも、先生も
「本当の提灯を使って模型を作れたら一番いいよね」
という意見が出ていました。
小嶋商店さんに伺った際に、
プレゼンで実際の提灯を審査員の方々にお見せするために、
提灯をお借りしており、
小嶋商店さんに
「お借りした提灯を買わせていただいて、模型に使いたい」
と連絡したところ、
快く承諾をしていただき、
さらに「とにかく勝ってきてください!」
とのエールまで送っていただきました。

その連絡をいただいたのは、
実はプレゼン審査に向かう新幹線の中。
なので、新幹線の中で
提灯をカッターで半分に切って
模型を完成にまで持っていきました。

ミラノサローネへの道

完成した模型です。
新幹線で拍手したのを覚えています。

メンバーでも話していましたが、
新幹線の中で提灯を切ったのは、
後にも先にも多分私たちだけだろう!と。

そしてもう一つ、空間の重要なポイントになるものがあります。
それは、「石清水八幡宮の竹」を使うことです。
なぜ、「石清水八幡宮の竹」なのか?
この「石清水八幡宮の竹」は、あの世界の大発明、
「エジソンの電球」と深い関係があります。
エジソンは、炭化させた木綿糸を
電球の中のフィラメントに使い、
40時間も輝き続けていましたが、
「誰もが気軽に使えなければ意味がない」と、
さらに研究を進めました。
フィラメントの素材として
6000種類に及ぶ材料を実験しましたが、
なかなか長時間持つものは見つからず。
そんなエジソンでしたが、
日本からのお土産の「扇子」の骨に使われていた
竹を使うと
200時間も輝いたそうなのです。

このことからエジソンは
1200種類もの竹を試し続け、ついに京都の
「八幡男山付近の竹」、
すなわち「石清水八幡宮の竹」を使用した
フィラメントは
1000時間も輝き続けました。

このことから、
「石清水八幡宮の竹」のフィラメントを使った
石清水八幡宮の竹は、
数十年間アメリカの街を照らしていたのです。
「そんな石清水八幡宮の竹を、この提灯にも使わせていただきたい!」と、
石清水八幡宮さんにお願いをしに行きました。

石清水八幡宮さんから伺ったことは、
・この竹は皇室に納める真竹だということ。
・孟宗竹(=繁殖力が強い竹)に圧され
少量になってしまっていること。
・これまでGE(=エジソンのお弟子さんが開いた会社)と
東芝さんにだけ提供している竹だということ。
でした。
ですが!!!
「灯りがあることに当たり前になっている現代だからこそ、
みんなが忘れがちになっている
灯りのある空間の幸せを世界に届けてください。」
と、特別に竹をいただくことができました。

提灯の骨に使われる骨に竹を使い、
そして大きな提灯の中には
エジソンのフィラメントを使った提灯を使うことで、
提灯と電球を使って
「一隅を照らす空間」を作りたいということと、
審査員の方にも見ていただこうと、
実際の竹もプレゼンに持っていくことにしました。

 

プレゼン審査

そしてやってきたプレゼン審査。
一次審査を通過した7組が控え室に集まってきました。
ライバルの大学は、私たち京都造形芸術大学の他にも、
東京大学、多摩美術大学など、
「ええ!?」と思わず声に出てしまった名門校ばかりで、
緊張は増すばかり・・・
それに加えて、私たちが思ったのは、
「模型のサイズ、小さくね?」ということ。
私たちは、1/20サイズで模型を制作していましたが、
他の大学と比べ、明らかに模型が小さく、
内心焦りまくっていました。

加えて、私たちのプレゼンは、
まだまだ完璧というところまでたどり着いておらず、
寝不足によるハイテンション。
緊張で、どうにかなってしまいそうでした。

プレゼン審査は、まず初めに
7組全員と審査員の方々の顔合わせから始まりました。

ミラノサローネへの道

写真からでも、その緊張は伝わってくると思います。
この日は、映像のアーカイブを残すために
たくさんの定点カメラが用意されていたり、
観覧できる席があってそこは満員だったり、
とにかく緊張していました。

プレゼンの順番ですが、
5番目に私たち提灯チーム、6番目に魔境チームでした。

そしてやって来たプレゼン審査、私たちの番。

ミラノサローネへの道

「小嶋商店さん、石清水八幡宮さんがいなかったら
絶対に完成しなかった
日本でしか作って持っていけることができない空間、
絶対にミラノに持っていきたい!
私たちが提灯の中を見て純粋に感動したように、
世界中の人にも見てもらいたい!」
と、私たちはプレゼンを一生懸命行いました。

私たちのプレゼンの流れは、
①一次審査からは高さが変わっているので
空間のデザインが変わっていることに対するお詫び

②新しい空間の提案

③「一隅を照らす」の説明、小嶋商店さんの紹介

④石清水八幡宮さんの紹介

⑤「一隅を照らす」について
もう一度説明(一隅を照らして来たことの例を紹介)
といった感じ。

とにかく、
「この空間を絶対にミラノに持っていきたい!」
という熱量を審査員の方々に伝えました。
まず最初のお詫びで、
審査員の方々は笑ってくださり(
Laughが生まれました)、
さらに小嶋商店さんに提灯の制作のお願いをして
許可をいただいていること、
石清水八幡宮さんの竹を
使わせていただける許可をいただいたことを伝えると
感嘆の声が上がっていました。

審査員の方々の反応を見て、手応えを感じた私は、
プレゼンを終えて控え室に戻ったら
みんな晴れやかな顔をしているだろうな、と思っていました。
ですが
控え室に戻ってもメンバーの顔は暗いまま。

そう、私たちのプレゼンは完成したのがギリギリすぎて、
ほぼ熱量で乗り切ったような
プレゼンになったのではないかと心配していたのです。

全てのチームのプレゼンが終わり、
審査の時間に入りました。

やって来た結果発表。

ミラノサローネへの道

審査員長の小山薫堂さんから結果発表、
一番目に呼ばれたグループの名前は、
「京都造形芸術大学」
・・・
「多田照美さん(私たちのチーム)」と言われた瞬間、
「信じられない」という表情で、
「ひええ!?」と言っていたと思います。
後からアーカイブの担当の方に
「一人めちゃくちゃ大声でびっくりしてる子いたね!!」
と言われました。

ミラノに、私たちがいけることになったのが信じられなさすぎて、
ただただ驚いていました。
審査員の方々には、
・小嶋商店さんに実際に制作の許可をいただいたこと
・石清水八幡宮さんの竹を切ることに許可を取って来たこと
の二つが、「行動力があって信頼できる」との評価をいただきました。
私たちのグループの次に東京大学の方の案。
そして、多摩美術大学の方の案が呼ばれました。

この結果を小嶋商店さんにお伝えしたところ、
「すぐにでも動き出しましょう!」と言っていただき、
本当に感謝で心がいっぱいになりました。
プレゼンの日から1ヶ月たった今、
私たちの空間は実現に向けて、
少しずつですが着実に進んでいます。

実現に向けて、
と実際にミラノに行って感じたことなどを
またここに書かせていただければと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

つづく

2019.04.15更新