京都文化
サブイボ通信
3

京都文化サブイボ通信 樂焼

樂茶碗づくり〈赤樂編〉
学生による授業レポート

Kyoto Art class
Report3
“Raku yaki”
Text by Sakiyama Saki


京都文化 サブイボ通信3
樂茶碗づくり
基礎美術コース 1年
崎山 紗己

(2)_成功の秘訣

前回、自分たちで掘った土はそのまま使うことはできません。
小石や木の枝など、土ではないものとの“選別”
そして、きめ細かくするために“粉砕”する工程が行われます。

そのまま純粋に掘った土だけでつくることが、
土本来の色が良く出せるのだと思うのですが、
なかなか粘り気が足りなかったりしてしまうこともあるので、
今回は、採ってきた土に…
童仙房の土 : 再生土 = 4:6の比率で混ぜ合わせて粘土にしていきます。

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再生土をひたすら細かく砕いていく作業…
この再生土は、誰かが一度成形したあと放置したり
捨ててしまったりして、乾いてしまったものなどです。
前回の記事で、5週間だけ
総合造形コースの陶芸の授業に参加させてもらった時の話をしましたが、
砕いていると過去に成形しては廃棄した、
見覚えのあるハニワ達が出てきたり、ちょっぴり懐かしかったです。
でも、これでまた使ってもらうことができる粘土に変わるのね!!

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この砕く作業、結構腰や腕にきます。
人の手で砕き続けるだけではなく、
今回は “フレットミル” という機械も使い、さらにきめ細かくしていきます。

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土以外の不純物なども取り除くために、
土と水を混ぜて数日間放置させます。
小学校、中学校の頃の理科の授業を思い出してみてください。

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上の図のように、水に土を混ぜて放置すると、
粒の大きいものから下に沈んでいきます。
このようにすることで、水と粘土が綺麗に分離するのです。
上の水は “うわずみ水” と言って、少し濁りがあり、
落ち葉などの不純物も浮いてきます。
このうわずみ水だけを、スポンジ等を使っ取り除いて放置する。
暫くしてから見るとまた水がたまっているのでそれを取り除く。
土の様子を定期的に見ながらこの繰り返しをしていく。
しっかりと自分たちで面倒を見て行かなければなりません。

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うわずみ水を取り除いたら、吸水性のある布に粘土をのせて、
また暫く置いておきます。
その間は授業時間外であっても、
しっかりと土の面倒を見なければなりません。

 

時間をかけて土のお世話をする

ここまでの過程を
自分たちで採ってきた瓜生山の土にもしなければなりません。
しかし、実は私は土を掘った次の日、授業を欠席してしまい、
布に粘土をのせる工程ができませんでした。
ここまでの流れを1 日で行うことはできません。
数日間しっかりと時間をかけて土の面倒を見続けなければ、
良い粘土ができないのです。
なので、私は採ってきた土をきめの細かいふるいに何度もかけることで細かくし、
少しずつ水を混ぜて粘土にしていく別の方法で
粘土を最短でつくることになりました。

粘土ができてから感じたのは、
私の粘土はとてもザラザラとしていて、
みんなの粘土はもっと滑らかな手触りだったこと。
私と同じやり方の人も何人かいましたが、
やっぱり急ピッチでつくった粘土は、どこか砂のような手触りの粘土でした
ベルトコンベアを導入したことで有名な、
アメリカの自動車メーカー、フォード・モーター社の創業者である、
ヘンリー・フォードさんが
「成功の秘訣は、何よりもまず準備すること。」 だと言っていた話がありますが、
準備という土台をしっかりとしていたのか、怠ったのか。
努力や時間の重要性が、
どこかで必ず目に見えて現れてくるものなのだと身をもって感じました。
これから自主制作をしていく時はもちろんですが、
日常生活の中でもあらゆる面での準備をしていけるような人になれるよう、
注意していきていきたいです。

つづく

 

2019.05.01更新