京都文化
サブイボ通信
3

京都文化サブイボ通信 樂焼

樂茶碗づくり〈赤樂編〉
学生による授業レポート

Kyoto Art class
Report3
“Raku yaki”
Text by Sakiyama Saki


京都文化 サブイボ通信3
樂茶碗づくり
基礎美術コース 1年
崎山 紗己

(4)_時代を超越する心

苦戦した土練りを終え、ついに茶碗を成形していきます。
この樂焼の授業が始まってから、成形の段階に入る前に、
各自でどんな茶碗を作りたいかのエスキースを描いたり、
美術館や骨董品店に行って見てくる。触れてくる。
そんなフィールドワークをしていました。

私が行った美術館は、
京都の上京区にある公益財団法人樂美術館です。
1つめの記事でお見せした樂焼のポスト カードも
この樂美術館で購入しました!

樂美術館には樂焼き450年の歴史が詰まっています。
是非足をお運びください。

 

成形していく

エスキースをもとに成形をしていくのですが、
今回の樂焼では素焼きをする前に
削って形を作り出していく方法でつくるので、
最初から茶碗の形にがっつりと作りこむのではなく、
理想の形よりも厚みが出るように作っていきます。
茶碗の底には高台が付いていますが、
今回は削り高台という、あとから底を削って高台を作っていく方法なので、
側面よりも下側にさらに厚みをもたせます。

自分たちで採ってきた土の色によって、
わずかに違う色合いの茶碗が出来上がっていきます。
あの時、土をきめ細かくできたか、
石などの不純物は混ざっていないか、
この差で成形のしやすさ、崩れやすさが現れてくることにも
この時気がつきました。
(私の粘土は少し石が混ざっていた…)

 

道具から作っていく

茶碗の形ができてきたらすぐに削るのではなく、
程よい固さになるまで乾燥させます。
乾きすぎると全く削ることができなくなったり、欠けてしまうため、
今回も時間を見てタイミングを掴まなくてはなりませんでした。
削るための道具は市販のものではありません。

京都文化サブイボ通信 樂焼

自分の利き手に合わせて。 自分の削りやすい形に。

京都文化サブイボ通信 樂焼

道具のカーブを利用して少しずつ茶碗を削っていきます。
重すぎない茶碗、手に馴染む茶碗。
飲み口をどうするのか。
いろんなことを考えながらもひたむきに、
自分の茶碗と向き合っていく時間。
少しの手のブレで違う形に削れてしまったり、欠けてしまったり。

自分の心に落ち着きがあるか、ないか、
違うことに頭がいっぱいになっているのか、
そんな所まで形として茶碗に現れてきて、
土が自分を映し出す鏡のように光って見えた気がしました。

自然にも触れ、自分とも向き合える。
そんな陶芸の世界が面白く感じました。

いけ花の授業の時にも、お能の授業の時にも感じたことですが、
自分と向き合ったり、自分を映し出すことが多く、
武士の心構えといいますか、
時代を超越して、古くから日本人の中にある精神なのだと感じました。

つづく

 

2019.05.15更新