「Halleとの共同研究」

ドイツの芸術大学
Halleとの共同研究(4)

Burg Giebichenstein University
of Art and Design Halle

Haruka Takenouchi

ドイツの芸術大学
Halleとの共同研究
空間デザインコース 3年
竹之内 春香

糸の共同研究レポート(4)

2019年5月ドイツにある芸術大学Burg Giebichenstein University of Art and Design Halle(ハレ)の学生が京都にやって来ました。

京都造形芸術大学の空間演出デザイン学科2回生・3回生の授業にて、共同で「糸」について研究するためです。

ハレからは13人の学生とHans Stofer(ハンス)先生、Melanie Isverding(メラニン)先生、Iris Dankemeyer(イリス)先生という3人の先生。そして通訳さんに加えてロンドンの芸術大学 Royal College of Art(RCA)からスペシャルゲスト、

センター長の酒井先生の友人でもあるDavid Roux-Fouillet(デイビッド)先生が来日しました。

 

(4)_試作

Day 5
この日はいよいよ明日の夕方の合評に向けて制作を開始しなければなりません。
午前中に授業があった私は、材料を買うために午後に東急ハンズで会おうとスニさんと約束しました。
スニさんは午前中別のペアと一緒にうちわの「阿以波」さんを訪問していました。

ですが約束の時間になってもスニさんは東急ハンズに現れません。
一緒に回っている日本人学生に連絡すると、スニさんとその子のペアのムシュカさんが河原町でお店に入りまくっているとのことでした。
ショッピングが大好きなムシュカさんにつられて、スニさんも買い物をしたい気持ちが溢れてしまったようでした。
東急ハンズも彼女たちのいる場所からそう遠くはないので、まあいいか。(笑)
と思い私も彼女たちの元へ歩いて向かいました。

私が彼女たちにあった時、両手に大量の紙袋を下げていました。
「Sorry,Haruka!! I bought too much!!」スニさんも流石に買いすぎたと申し訳なさそうでした。反面、とても楽しそうでもありました。
しかもスニさんは金糸の職人さんのところへ行きたいと言い出しました。

本当は制作をしたい気持ちもありましたが、どこにヒントがあるかもわからないし、
私も行ってみたかったので結局東急ハンズには行かずに「中井金糸」さんを訪問しました。
昨日他のチームの学生たちが訪問したばかりで、その時の話を聞いて行きたくなったのだそうです。

早速、買いたい金糸を探していました。
金糸でも一般に出回っているものはシルバー色の上にプラスチックのコーティングがなされ、その上に黄色が塗られているものがあり、
実際には金は使われていないものが多いという事実を知りました。
ですが彼女たちはナチュラル志向なのでナチュラルなもの
(人工的な素材を使っていないもの)が欲しいと、
一般にはあまり出回っていない貴重な方の糸を選んでいました。

スニさんもシルバーが好きなので、銀糸(もちろんナチュラル)を購入していました。
支払いをしていると、奥から職人さんが大量に金糸やカラフルな糸が入った紙袋を持ってきました。
「これ学生さんたちで分けてや。」

学生たちがあまりに感動していた様子見て、そんなに喜んでくれるならと用意してくださった職人さんからのプレゼントでした。
職人さんのとても暖かいご好意にも触れて、私たちは幸せな気持ちでそれぞれの制作へ向かいました。

Halleとの糸の共同研究レポート

Halleとの糸の共同研究レポート

すっかり日が落ちてしまいましたが、私たちは東急ハンズへ向かい、
必要なものを買ってスニさんや他の学生も宿泊していたホテルで作業することにしました。
夕飯もまだだったのですが、時間もなかったのでコンビニでインスタントのラーメンと缶ビールを買い、スニさんの部屋へ行きました。

グラスに開けた缶ビールの缶を半分に切り開き、ロウソクを細かくしてその中に入れました。
部屋のポットでお湯を沸かし、インスタントラーメンのカップに流し込んだ中に入れて湯煎しロウを液状にします。
その中に数本の糸の半分だけをつけてロウコーティングをしました。
それを引き上げると、素早くもう半分のロウコーティングをしていない方とねじり合わせました。

するとコーティングされたところと、されてないところが交互になった1本の糸ができました。
これをもう1つのインスタントラーメンの器に入れた墨に浸けると、その瞬間1本に見えた糸から見えていなかったもう1本の糸が見えてきます。

Halleとの糸の共同研究レポート

Halleとの糸の共同研究レポート

Halleとの糸の共同研究レポート

Halleとの糸の共同研究レポート

これが私たちの作った糸です。実際にはプレゼンテーションのタイミングで墨に浸ける見せ方をしました。

これが私たちの作った糸です。実際にはプレゼンテーションのタイミングで墨に浸ける見せ方をしました。

これが私たちの作った糸です。実際にはプレゼンテーションのタイミングで墨に浸ける見せ方をしました。

(上:染める前と染めた後 / 下:試した様々な糸)

その後様々な素材の糸で試しました。綿や麻、シルク、ナイロンやポリエステルなどを染めましたが1番くっきりと染まったシルクを選ぶことにしました。

また、最初はロウコーティングも歯ブラシでロウをすくってつけていました。
このような試行錯誤は、プレゼンテーション前日にして終電時間ギリギリまで続きました。

つづく

 

2019.07.15更新