京都文化
トリハダ通信
4

篆刻 和綴じ本 文人文学

“漢詩、篆刻、” とは
学生による授業レポート(1)

Kyoto Art class
Report4
“Kanshi,Tenkoku”
Text by Sakiyama Saki


京都文化 トリハダ通信4
漢詩 篆刻
基礎美術コース 2年
崎山 紗己

(1)_ 書と彫刻の融合体

基礎美術コース2回生の初回の授業は、七言絶句の漢詩を中心として、篆刻、和綴じ本の作成と、文人文学を学んでいきます。
講師の先生は、佐藤峰雄先生です。

篆刻 和綴じ本 文人文学

“漢詩”と聞いたら、「難しそう」「苦手だった」
このような、取っ付きにくいイメージが皆さんの中には少なからずあるのではないでしょうか。 中には、詩のイメージよりも、パズル感覚で楽しかったり、苦戦した記憶がある人も居るかもしれませんね。
私自身、中学校、高校と、国語科で必修とされていた古文、漢文の授業がとても苦手でした。 それでも、好きになりたい、楽しみたいという気持ちはずっと持っていたので、今回の授業は入学以来、密かに楽しみにしていた5週間の始まりでもあります。

さて、基礎美術コース全体の授業を通してベースと考えている室町時代では、貴族、 武士、僧といった人達が知識人とされていました。
そういった立場の人達の資本的な素養である漢詩を少しでも理解し、日常の生活の中や、今まで体験してきたことの中から漢詩の要素を見つけ、自分の感情を表現することができるようになることが今回の目標です。

 

書と彫刻が融合した芸術

現代の生活の中ではあまり馴染みのない漢詩ですが、名詩を鑑賞しながら自分の漢詩を作っていく為にも、『子夜呉歌』をベースにして“篆刻”( てんこく ) と呼ばれるものを作ることからはじまりました。 篆刻は、木や石などに印を彫ることで、その起源は中国だとされています。

篆刻 和綴じ本 文人文学

今回は石に篆刻をしていきます。
よく上の写真を見てもらうと、白く傷になっている部分がありますよね。 実は篆刻に使用される石はとても硬い石ではないのです。 端のほうを歯で齧ってみて傷がつきやすいものがいいそうです。
一方で、彫る工程で石を雑に扱ってしまうと傷だらけにもなってしまいます。

篆刻 和綴じ本 文人文学

このような木の装置に石を固定して彫っていきます。
あまり強く固定してしまうと、 柔らかい石はすぐに欠けてしまうのです。 扱いが簡単に見えて難しいところですね。
ちなみに、この石は私が担当したものなのですが、赤文字で書かれているのは“李白” という文字です。 中国の漢詩『子夜呉歌』の作者である、盛唐の詩人、李白の名前です。
一人、二文字または三文字ずつのパーツに分かれて篆刻作成を担当し、一つの詩を彫っていくという共同制作をこれから行います。

つづく

 

2019.08.01更新