「RCAとの合同プロジェクト」

RCAとの合同プロジェクト

RCAとの合同プロジェクト(3)

Joint project
Royal College of Art

Ojima Hitomi

共同プロジェクト
Royal College of Art

通信・空間演出デザインコース
小島仁美

RCAとの合同プロジェクト(3)

夏季休暇を利用し、ヨーロッパのデザイン大学の学生と新商品を企画する合同プロジェクトを行いました。
第1週、8/12-19はロンドンのRoyal College of Art (RCA)と、第2週、8/19-24
ジュネーヴ造形芸術大学(HEAD)との取り組み。
今回は第1週目
RCAとのプロジェクトについて、どのようなことが行われたのかご報告します。

 

(3)_職人さん工房訪問、京都巡り

ミラノサローネで協力していただいた提灯職人の小嶋商店さんからのご紹介で、引箔という伝統工芸をされている西山治作製作所さんへ訪問しました。

帯をつくるには、最初に帯の図案家と機織り職人とが帯の図案を作成します。
引箔とは下地に漆を塗った和紙の上に、金銀、アルミ、プラチナなどの箔を貼ったり、硫黄を塗った上で焼いたり、金箔を散らしたり、一枚として一箇所として同じ様子のない表情を作っていきます。それを帯の幅に合わせ、専用の機械で裁断し、織り職人のもので横糸と引箔を合わせて縫うことで、帯の上に模様を再現していきます。

RCAとの合同プロジェクト

引箔の工程について説明してくださる西山さん。

くしゃくしゃにしてシワをつけた後、一方向からスプレーガンを使って吹き付たり、要望によって金属を使い分けたり、螺鈿や鼈甲、孔雀の羽を入れたりと、さまざまな技法を駆使します。
紙という平面な世界に奥行きや立体感を表現してくと、宇宙的な、もしくはミクロな世界のような図柄も出来上がります。紙の上にこんな荘厳な世界が広がるなんて、さらに、これを切ってしまうなんて、ととても衝撃でした。

RCAとの合同プロジェクト

RCAとの合同プロジェクト

平面なはずの紙に、山脈のような立体感が生まれています。

また新たな取り組みとして、KYOTO leatherという京都発のレザー専門ブランドが、京都の職人さんに呼びかけ、様々な技術を皮に施すプロジェクトがあるそうです。
それに西山さんも参画しており、豚皮、牛皮など様々な皮で試作したり、皮の職人さんと下地の塗りやコーティングでも、皮に合った薬剤を試していかないといけないため、協力しあっての試行錯誤を続けているそうです。

ただ、適当に吹き付けただけ、とおっしゃる図柄も他に一つとない素晴らしく格好の良い雰囲気を出していて、試作品の皮の一つ一つを手に取っては、これもあれもかっこいい!と興奮して群がってしまいました。

RCAとの合同プロジェクト

皮に箔をつけたり、焼き付けたりした試作品の数々。

現在は、引箔風に印刷された紙を織り込む帯もあるそうで、手作業で模様を作り出した引箔を使った帯と、印刷の紙を使った帯の違いは、きちんと本物を知っている人が見ればわかるそうです。
私たちは、帯の中に紙が織り込まれていることなど知らなかったため、そんな手間のかかる工程を経て、帯や着物を作っていることに驚きました。だた、引箔だけでなく、そもそも帯の需要自体減っているため、たとえ時間をかけて作っている引箔の帯もその他のものと同じ価格で取引されてしまうことを聞いて非常に残念だと感じました。

その後は和菓子屋さんや和傘屋さんを見学した後、2日間に渡って見てきたものに対し、今持っているアイディアや、興味を持ったポイント、どんなものを作っていきたいか、話し合いをしました。
現在の私達の生活は、便利なペットボトルなどのプラスチック製品を、一度使って捨ててしまう物が多いなと感じていました。それに対し、ずっと使い続けてくれるもの、伝統を伝えられるもの、その商品そのものがいいと思って、買って使い続けたくなるものを目指したいね、という話になりました。

また、職人さんと直接話し、何が難しくて、どうして衰退してきてしまっているのか、どんな新しい取り組みに挑戦しているのか、という職人さんの姿勢に一番心動かされ、直接訪問した職人さんの技術を生かしたいねと話していました。

つづく

 

2019.10.01更新