生菓子の木型

京都を身につける

京都を身につける2

To wear Kyoto
Yamamoto Shina

京都を身につける
ファッションデザインコース 2回生 山本織衣奈

空間演出デザイン学科ファッションデザインコース2回生の授業で「京都を身につけるアイテムを作る」という課題が出されました。

15回の授業内で京都に足を向け、インタビュー・リサーチをし、京都を素材としたファッションアイテムを制作するというものです。

自分の力でもっと深く京都のことを知り、足を踏み出すことにより、新しい魅力に気づき、その発見(新しい京都の魅力)をアイテム化するという課題。
気付いていないし知ろうとしていない京都がどのような形でリサーチされ、アイテムになっていくのでしょうか。

 

生菓子の木型

私は和菓子屋でアルバイトしていることあって、まず「生菓子」が思いつきました。

まずは下見にと何軒かの和菓子屋を訪問しました。
でも何軒回っても、ピンとくるアイデアが思いつかず、悩んでいた時にふらっと立ち寄った三条にある「京菓子司 平安殿」であるものを見つけました。

それが写真にある生菓子の木型です。

京都を身につける

京都を身につける

私は実際にこの型を使って、何かを型取った作品を作ろうと思いました。

そこで木型を借りることができないか、和菓子屋さんに問い合わせて回ることにしました。

しかし木型は店の命ともいえるものだそうで、借りることができません。

それもそのはず、京都市は国や府が指定する伝統産業とは別に、「市の伝統産業」として74種類の職種を指定しています。

その中にこの菓子木型の職人も含まれていました。

しかし、数年前に京菓子づくりを支える菓子木型の職人が途絶え、この職人がいなくなる事態は74種類の職種の中で初めてだったそう。

だから菓子木型はさらに価値の高いものになったのです。
最近では機械の技術が発達して、ゴムやシリコンなどのマテリアルで、3Dプリンターなどを使って簡単に大量生産されているという事実も知りました。

私はそのことにとても胸を痛めて、絶対にこの木型を使おうと決心しました。

実際にお店からお借りすることはできなかったので、ネットで見つけた菓子木型を手に入れました。

外側が丸くて、底にお花の柄が掘られている型を購入。
これは主に落雁(らくがん)というでんぷん質の粉に水飴や砂糖を混ぜて着色し、型押しして乾燥させて作る干菓子などに使われる型です。 

 

考えて、作る

これで何を型取ろうかと考えたときに、私はいつも家でしている「フェイスパック」を思い出しました。
化粧水を含んだ、顔の型に切られたあのシートです。
いつもシートにまだたっぷり化粧水が染み込んだ状態なのに捨てられ、たった一度、しかも数分で捨てられてしまうシートに目をつけました。

何度も使える布などの素材でフェイスシートを作って、パッケージとして菓子木型で型取った「繰り返し使えるフェイスパック」を作る事にしました。

ここから実際に制作に入っていきます。まず、本当にシートを菓子木型の形で型取れるのか不安だったので、まずは市販されているフェイスパックをそのまま木型で抑えてみました。

抑えた上にいくつも重りを乗せて1日放置し、型から外して乾かしました。

京都を身につける

京都を身につける

京都を身につける

シートは薄かったので、綺麗に「丸」の形になって出てきましたが、抑えが足りず、底のお花の模様までは浮き出ませんでした。

今度は実際に繰り返し使える素材として布を使い、さらに重りを足して、放置する時間も伸ばしてみました。

しかし、やっぱり模様を浮き上がらせるまではできませんでした。

おそらく、底に掘られた柄がでるまで圧縮しきることができなかったので、形自体が今回使ったようなただの丸形ではなく、何か形がある菓子木型を選んで、型取った方が良かった気がします・・・。
これからまだまだ実験が必要・・・。

今回の制作、実は京都に関わる人物にインタビューするところから始まりました。
私は、京菓子を作る人と売る人にお話を聞いて、型の大事さや菓子職人が減っていることなど、こんな授業の機会がないと知れないことたくさん知ることができました。

今までは、職人さんに自分から話を聞きに行くなんて、ちょっと勇気がいるなと思っていたし、ましてや自分は京都にあんまり良いイメージを持っていなくて、この授業を乗り越えられるか心配していました。

ですが、実際に自分で調べて考えて、いざ職人さんに出会い話を聞いてみたら、別に職人さんって堅苦しい感じでもなかった。

今回の課題ではリサーチをして、考えて、作る。そのプロセスの大事さを今まで以上に理解することができました。これからの自分の制作に活かせていけたらな、と思います!

京都を身につける

京都を身につける

 

  • 酒井先生のコメント

この学生が書いているように、「京都」という自分たちのベースとなっている都市を制作物の背景として活用できる学生は多くありません。
Localな物事が注目されている現代において、まず足元のLocalな物事を見つけ、発信する力を持ってくれたらと思っています。
といっても、都市のLocalを見つけるのは、地方のLocalを見つけるより難易度は高いと思います。理由は割愛。
「京都」を上手に活用できるようになれば、国外でも確実にモテます。

 

2019.11.01更新