伝統文化研究員の本棚
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苔のむすまで

ヤノベケンジ先生のススメ
苔のむすまで

Traditional culture
researcher’s bookshelf
YANOBE KENJI

伝統文化研究員の本棚
ヤノベケンジ

伝統文化(工芸)や、職人さんについて「知らない人」だった私たちは職人さんや 京都の物事に出会って、知らないことを教えてもらい驚きと感動の毎日を過ごしています。
知れば知るほど「もっと知識を増やしたい」「メンバーの中でも知識を共有したい」 と思い、人類が研究してきた膨大な情報にアクセスするため、私たちは本を読んでいくことにしました。

京都について、職人さんについて、伝統文化について、工芸 について
KYOTO T5
の研究員へ、様々な先生方からおすすめしていただいた本を紹介していきます。

 

苔のむすまで

苔のむすまで

コンセプチャルな写真作品で国際的に活動展開する現代美術家の評論集。その博識と哲学からこの1冊を読めば我々の心を太古から未来に、足元から宇宙に誘ってくれる。時空を超える体験ができるのだ。

自然史博物館のジオラマを撮影するシリーズ、全米の映画館で上映中シャッターを開放する「劇場」シリーズ、世界各地の海を撮影した「海景」シリーズなどの彼の代表作を紹介しながら、骨董蒐集家でもある彼のコレクションとその知見も織り交ぜ、伝統文化、ひいては文化博物史、人類史を俯瞰できる視点が獲得できる。
先人が残してきたものに対する畏敬の念に気づき、自分の生きる時間の短さ儚さを想い、それゆえに時代を引き継ぎ未来に送る伝統文化継承の精神を再認識する。
現代に生きる作家の「みたて」で世界をユニークに変換させる手法を覗いてみるべし。必読の書である。


 

タイトル:苔のむすまで
著者:杉本博司
出版社名:新潮社
出版年月:20058


 

【紹介下さった方】
ヤノベケンジ
1965年大阪生まれ。
1991年京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。
現代美術作家。
京都造形芸術大学教授兼ウルトラファクトリー・ディレクター。
1990年初頭より、「現代社会におけるサヴァイヴァル」をテーマに実機能のある大型機械彫刻を制作。
21世紀の幕開けと共に、制作テーマを「リヴァイヴァル」へと移行し、機械彫刻、巨大彫刻、絵本、フィギュア、ワークショップなど、既成のアートの枠組を超えた活動を次々と展開している。

 

2019.11.01更新