FOUND KYOTO

FOUND KYOTO(1)

FOUND KYOTO
CRAFTSMAN TOURS

Mizobe Chihana

空間デザインコース 3年
溝部 千花

KYOTO T5(京都伝統文化イノベーション研究センター)が主催する職人ツアー。

京都の旅館やホテル、ゲストハウス等宿泊業に携わるスタッフさんと一緒に京都の職人さんの工房を巡ります。実際に制作過程を見てもらい、職人さんと話すという場をつくることで、技術はもちろんのこと四季に寄り添うものづくりを体感してもらい、京都の本当の姿を伝えられる人を増やしていきたいと考えています。

 

第一弾として10月に開催されたツアーでは旅館の女将さんや十二単の職人さんらが参加。今回行なったツアーの様子を少しご紹介します。

 

(1)_和鏡・魔鏡の工房 / 錺金具の工房

和鏡・魔鏡の工房

和鏡・魔鏡の工房 / 錺金具の工房

まず初めに訪れた工房は、和鏡や魔鏡を作っておられる 『山本合金製作所』さん。
かつて隠れキリシタンも信仰のために使った、 反射光の中に像があらわれる「魔鏡」。 現在魔鏡を作ることができる職人は世界でも山本さんのみ。 あまり知られていない 和鏡・魔鏡の歴史、 制作工程について教えてくださいました。

和鏡・魔鏡の工房 / 錺金具の工房

山本さんが仕事として始められたのは、大学卒業してすぐ。祖父の手伝いとして、鏡を磨くようになったそうです。
鏡師になるには、30年かかると言われており、「鋳造」「削り」「研ぎ」の各工程の技を習得するのに約10年ずつかかります。
紋様を彫った鋳型を鋳造し、できた銅の板にヤスリをかけるのに半日。刃の両端に持ち手がついたセンという道具(写真中央)で削るのに半日。研いだ跡がでないよう、極限まで研いでいきます。一枚の鏡になるまでにかかる工程と、時間の長さにツアー参加者のみなさんは驚かれていました。

和鏡・魔鏡の工房 / 錺金具の工房

ヤスリをかけ、センで削った後砥石、工業用の炭で研いで仕上げます。
漆の職人さんも使う工業用の炭。現在、炭を生産しているお店は日本に一軒しかなく、道具を作る職人さんも困難になっているそうです。

和鏡・魔鏡の工房 / 錺金具の工房

見学終了後、山本さんへの質問が殺到。
「なぜ日本に魔鏡の技術が残っているのか」「どこで和鏡を見ることができるのか」「道具はどこから仕入れているか」
など。時間の有る限り、山本さんに最後まで丁寧に答えていただけました。

和鏡・魔鏡の工房 / 錺金具の工房

 

錺金具の工房

和鏡・魔鏡の工房 / 錺金具の工房

次に訪れたのは、伊勢神宮の遷宮も担当する『森本錺金具製作所』さん。
お雛様や襖の取っ手、寺社仏閣やお城の装飾など幅広く金属を手がける錺金具師。先代から受け継いだ、
2,000種類以上ある鏨(タガネ)の中から文様に合うものを探し、打つ・彫る工程で繊細な文様を作り上げます。

和鏡・魔鏡の工房 / 錺金具の工房

森本製作所さんがこれまでつくられてきた錺金具を一挙に見ることができる展示室では、普段触ることのできない桂離宮の襖の取っ手を手にとって見ることができ、参加者のみなさまは目を大きく見開いてまじまじと見ておられました。

和鏡・魔鏡の工房 / 錺金具の工房

森本錺金具製作所さんは、ほとんどの作業を手仕事でされています。
写真の神楽鈴は、手製のもの。機械製のものと鳴らし比べ、改めて手仕事の素晴らしさを実感されていました。

和鏡・魔鏡の工房 / 錺金具の工房

実際に、職人さんのお仕事を見学。
ティーン カーンと金槌の打つ音が鳴り響いていました。
「毎日の仕事に向かっていることが信仰なんです。 毎日の信仰が形になる。 神様、仏様は24時間、365日、常に見てはるわけやから、 絶対にごまかしはできない。」と、話す現当主の森本さん。

職人さん方はそれぞれ別の仕事をされており、 参加者の方々に「○○祭りの神輿のこの部分を作っています」 「○○神社のこの部分を作っています」など説明され、毎日どのようなことをしているかお話しされていました。

和鏡・魔鏡の工房 / 錺金具の工房

つづく

 

2019.12.01更新