「Halleとの共同研究」

Halleとの共同研究第2弾(4)

Joint project
Burg Giebichenstein University
of Art and Design Halle

Haruka Takenouchi

ドイツの芸術大学
Halleとの共同研究第2弾
空間デザインコース 3年
竹之内 春花

2019年5月10日、ドイツのHalleという地域にあるBurg Giebichenstein University of Art and Design Halle(ハレ・ブルグ・ギービヒェンシュタイン芸術大学)の学生が京都にやってきて「糸」についてのワークショップを行いました。
今回は、私たち京都造形芸術大学の空間演出デザイン学科2・3回生の数名が2019年10月22日ドイツへ。
ハレ芸術大学のあるHalle(saale)にて、ワークショップの続きを開催するためです。ドイツの学生達が暮らしているそのHalleという街は、どんな街なのでしょうか。京都造形芸術大学と、ハレ芸術大学の「糸(リレーション)」を紡いでいくプロジェクト第2弾です。

 

(4)_制作day2・3

朝Leonaと大学近くのレストラン前で待ち合わせをしていました。ですが、約束の時間になってもLeonaは現れません。
連絡が取れないので、大学へ行きました。
するとSunhiがいて、Leonaと連絡を取ることができました。
Leonaは昨晩お酒を飲みすぎて寝坊してしまったようで(笑)、そのままSunhiやもう一人のKatha、数名の京都の学生と一緒に連れて行ってもらえることになりました。
その日のプランはNature!自然に触れる。
車で数十分、そこはとても素晴らしい場所でした。
草原のような場所を歩いて丘を少し登ると、広大な景色がありました。山だらけの日本ではまず見ることのない景色です。見たことのない珍しい植物もたくさんあって、すごくすごく楽しかったです。
私たちは景色のいい丘で持ってきたコーヒーとお菓子を食べながら、塩について話をしました。

Halleとの共同研究第2弾

Halleとの共同研究第2弾

Halleとの共同研究第2弾

Halleとの共同研究第2弾

塩は素材でもあり、道具でもあること。
塩によって保存食(漬物や味噌など)を作ることができたり、プールの衛生が保たれたりすること。
私たちは塩のおかげで生きているけれど、お茶碗一杯の塩を食べると死ぬこと。
塩玉のショットガンがあること。
おめでたい時、塩で魚を包んだ「塩釜」を焼いて食べること。
空を南へ渡る鳥の群れがいくつか通り過ぎながら、私たちはとても価値ある時間を過ごしました。

Halleとの共同研究第2弾

昼過ぎからLeonaと合流し、さっそく私は丘の上でみんなと話した塩の話を伝えました。
私たちが思う塩について話し、塩を贈り物として残すことのできる新しい「塩のギフト」の形を考えることにしました。
岩塩のできる過程をリサーチする中で、私は化石と岩塩が地中で共存している様を想像しました。
化石も岩塩と同じように、海で亡くなった生物の亡骸を巻き込み、地中で化石となります。 化石は、そこに生き物が生きていた証を残します。

その身はバクテリアが食べて消えてしまいますが、骨や殻は残り、それらが存在を知らせます。
塩のギフトも塩を食べてしまった後、そこに塩を贈った気持ちが残るようなギフトにしたいと思いました。

制作最終日、すごく霧の深い朝でした。
私たちはsalt museumに行きました。
そこには塩がどこを掘ればあるかを測るのに使っていた棒や、どのようにして製塩していたのか、販売するときに売値を書いていた蝋の黒板、昔のハレの塩のパッケージなどがありました。
難しいドイツ語ばかりでしたが、館長らしき女性がすごく丁寧に説明してくれました。
塩にすごく興味を持っている私たちにすごく喜んでくれている様子で、2時間ほど喋り続けていました。
使われていた道具にもとても興味深いものが多く、何かアイデアの材料になりそうなものがたくさんありました。

Halleとの共同研究第2弾

Halleとの共同研究第2弾

Halleとの共同研究第2弾

Halleとの共同研究第2弾

 

プレゼンテーション

いよいよプレゼンテーションの日。
プレゼンテーションでは、それぞれのチームから発表があり「salt is small」というタイトルで、塩にまつわることをまとめたzineのようなものを作っているチーム、汗をかいて出る塩で模様を作った服、涙の塩で色の変わるリングを提案するチーム。
韓国人の学生がいるチームはおもらしをすると近所から塩を集めることで子供に恥ずかしい思いをさせて戒める文化があることを教えてくれました。
塩を手でなぞり絵を描く実験や、2gと10gの塩が溶けた一見どちらかわからない水を天秤にかける形で健康への影響をシンプルに示すチームもいました。

Halleとの共同研究第2弾

Halleとの共同研究第2弾

Halleとの共同研究第2弾

Halleとの共同研究第2弾

私たちは自身らの塩のリサーチから、ドイツの塩にまつわる文化と日本の砂糖にまつわる文化の話、そこからその文化が残っていくために、塩を贈りたくなるようなギフトの形を提案しました。
化石のバクテリアに食べられてしまった部分に塩が詰まっていて、もらった人がバクテリアのように塩を食べていく。
すると化石が完成し、そのギフトがあった証をそこに残します。

Halleとの共同研究第2弾

プレゼンテーションと最後のパーティーが終わったあと、私たちは急にHans先生に外に出るように言われました。
よくわからないまま外に出ると、一本の長いロープがありました。
なんと、京都で最後にみんなで行った綱引き大会が用意されていました。
すごく懐かしい気持ちになったと同時に、ああ今回のワークショップは終わってしまったんだとすごく寂しい気持ちになりました。

Halleとの共同研究第2弾

Halleとの共同研究第2弾

その土地のことをリサーチし、そこにはその土地土地の文化があって、変わらないものや変わってきたものを見つけてきました。違う土地であっても、どこかで私たちの暮らしにも通ずるところが見つかって、新しくて大きな発見に出会います。
今回もとてもいいワークショップでした。

あるチームが「塩くらいあなたのことが好き」と言った女性を選んだドイツの王様の話をしていました。
今回の滞在で、お金のように数字では表せない価値が、塩にはある。と感じ、それぞれにとって「価値を感じるもの」とは一体何なのかを考えることができたワークショップとなりました。

京都造形芸術大学とハレ芸術大学共同の「What’s the meaning of salt for you?」プロジェクトはこのような形で閉幕で日本へと帰りました。
次回私たちはどこで再会できるのでしょうか。 今から待ち遠しいです。

おわり

 

2020.02.15更新