竹笹堂とAIUEO

竹笹堂とAIUEO

竹笹堂とAIUEO1

京都で雑貨をつくるAIUEOが伝統工芸に出会い、新たなプロジェクトとして新商品を開発していくことになりました。
なぜAIUEOが伝統工芸に興味を持ち始めたのか。
竹笹堂さんとのコラボ商品開発するにあたり、今までのものづくりについての考えや、今回感じたことを聞かせてもらうため、京都の伝統工芸に精通するディレクター山崎伸吾さんに聞き手になっていただき、竹笹堂 竹中健司さんとAIUEO 荒川香織さんに対談をしていただきました。

 

(1)_京都のブランドとして

山崎伸吾:ステーショナリーや雑貨を作っているAIUEOが伝統工芸に興味を持った経緯を教えてください。

荒川香織伝統工芸という形に最終は着地したんですけど、最初は全然伝統工芸をやろうということで決めたわけじゃないんです。
実は私たち京都でものづくりをしたことがなかったんです。
AIUEOは京都のブランドとして活動しているけれど、誰が、どういう人が作ってくれているか知る機会っていうのが量販店を対象として雑貨を作っている私たちからすると珍しくて。
そんな中で、雑貨を作っていると大量生産だからたくさん作って捨てるとか悲しい想いとかをすることがいっぱいあったんです。
そういう時に、結局誰と一緒に作っているか知らないと簡単に“もの”として扱ってしまうということがよく起きていたんです。
その反省も含めてこれから何しよっかな。
と考えていた時にちょうどKYOTO T5が立ち上がって。一緒にやろう!と決めました。
最初は京都の工房見学に一緒に連れて行ってもらったのがきっかけで、京都で面白い活動ができたら思うようになりました。
竹笹堂さんとの出会いは伸吾くんに相談して紹介してもらったというのがきっかけです。

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山崎伸吾:昨年から、いろいろな分野の工房をご案内しましたが、伝統工芸に触れてみてどうでしたか?

荒川香織:小さい工房でやっているところが多いので、人が分かりやすいっていう面白さがあります。だいたい手でやっているんだ。
みたいなのがまず分かって、その人と直接話せるっていうのが自分の雑貨作りの中であんまりなかった。
今までは機械で量産っていう形が多いから担当者さんには会えるけど、作っている中の人は見えない。それが会えるというのが面白かったです。

山崎伸吾:普段の仕事の、パソコンでデータを作って、そのデータをメールで送って、しばらくすると商品が納品されるという流れの中では、実際に工房で手作業で版を彫っていることとかは見えてこないですよね。

荒川香織:そう。
うちわの阿以波さんの工場にも行ったんですが手でホネ並べてるし。
とか(笑)
あたり前なんですけど、あたり前ではなかったのでびっくりしました。
というか、知らないこと多かったな。と思って感動しました。
細かい微調整も実は私たちが知らないすごいことだったとか。

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山崎伸吾:自分たちがデザインしたものが、手仕事によってそのまま形になっていくプロセスにデジタルじゃない魅力を感じたんだろうなと思うんですが、いろいろな分野の伝統工芸の工房に行ってみて、まず最初にコラボするなら竹笹堂だと思った理由を教えてください。

荒川香織:一番は自分たちが印刷物という面では経験が多かったので、印刷に近いっていうか印刷であるっていうこと。
それが最古の印刷方法であるっていうこともおもしろかったし、竹笹堂さんが作っている雑貨や展開されているものもそんなに私たちのものとかけ離れていないと思いました。

山崎伸吾:普段作っているものと近しいものを感じたということですか?

荒川香織:そうですね。
素材にしても自分たちが今まで作って来ていたようにあまりよくわからないまま探してたんです。例えばちりめんを見せてもらったりした時に、結局予算に合うのはポリエステルで、じゃあポリエステルってなんなの?
みたいなところで納得が行かない部分で決断しきれない部分はいっぱいありました。
けど木版だったらすごくわかりやすいなと思って。
いいなと思ったという感じです。

山崎伸吾:実際に彫られた木版を見ると、その魅力に取り憑かれてしまいますよね。

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荒川香織:すごい。

竹中健司:すごいでこれ。めちゃくちゃさすなっていう。

一同笑

荒川香織:木版の作り方からすると何この柄って感じだったと思うんですけど、私たちからすると自分たちの柄めちゃくちゃ好きなんで。
そのかわいい柄が印刷方法も、最高!で感動しました。

竹中健司:それをよく竹笹堂の企画開発をしてくれている恵美子さんから言われてた。あそこはデザインが大好きやから。
デザインちゃんと守らなあかんからいつも通りしたらあかんって。
もうちょっとデザインを考えてって(笑)

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常に常に新しい人と組み組みながらまた学んで、今の時に合わせていく

竹笹堂とAIUEO

山崎伸吾:今回僕からAIUEOさんを紹介させて貰ったのですが、彼女たちの最初の印象を教えてください。

竹中健司:一番思ったのはうまいことやってるなって思った。
大学から出て来て、みんなで集まって、それを成功させてる形っていうのはなかなか美術大学から出て来てからは聞かへん。
何かの下に入っているとかはあるけど、形がちゃんと出来あがってて。
自分らのやりたいことを大学、その前くらいから考えていたことを突き通している。
さらにそこから次の発展系として、古い形式にちょっと戻るっていうのは会社としてのやらなあかんことだと思っているので、僕はすごくいいことをするんやなって思った。
それで、女性ばっかり来るからすごいなと(笑)

荒川香織:女子のチームなんで(笑)

竹中健司:今回のデザインは昔からの柄の配置とかも一応話ししてるので、古い形には全部沿ってんねん。

山崎伸吾 荒川香織:へー!

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竹中健司:古い形には沿ってるけどすごいなというか、そのデザインでやるんだなっていう。

荒川香織:半分聞いて半分聞いてないみたいなことがあったって感じですかね。
本当にこのデザインで出して来るんだみたいな。

竹中健司:出して来るのは出して来るって思ったけど、ちゃんとデザイナーの人の気持ちを受けるっていうのを改めて考えて、うちの方もレベルアップした。
常に常に新しい人と組み組みながらまた学んで、今の時に合わせていくと僕らもまた技術が上がってる。
実はこれはこうやし、次はこうしたほうが良いよ。となるとお互い技術やデザイン力が上がる。
すると、明治、昭和とか江戸の人のデザイン意識が戻って来るので、そうすると最強になる。それから一歩ずつ、一歩ずつ作っていくと絶対誰にもできへんデザインが出て来る。
そして、そのデザインで版木ができて来ると着物にも使えるし、手ぬぐいにも使えるし、全てがこれで使えるようになる。
このサイズなんですよね基本的に全部。
反物もこれが流れていくだけなので、だいたいこのサイズ。
人間のサイズ。

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荒川香織:繰り返しできる。

竹中健司そう。あと和紙のサイズ。人間の肩サイズ。
桜の木もこれ以上太くならないのでこのサイズが一応基本。
なので木版を学んでもらうと、ここからまたうちわや扇子、全部が出来上がって来るっていう。

荒川香織:わーすごい。すごいですね!

山崎伸吾:これは竹笹堂ならではの魅力の話ですね。

竹中健司:うちの6代目の裕子さんが誰にもできへんデザインをしてるのは木版の昔のことから全部学んで、多様性を持つようなことをしてる。
なおかつ簡単に彫れて、簡単に摺れてびっくりするような絵になるっていうことをしている。 北斎の浪裏と近づいていくっていう。
浪裏の話を言うと、浪裏は8色で終わってしまう。
普通浮世絵は15、16色、18色かけちゃうのに世界中がうける波の絵を北斎は8色ぐらいで収めてしまった。
何がすごいのかって言ったら15色で500円で売っている広重の絵と比べて、北斎も500円で売ってたから半分で作れる。
倍儲かる。みたいな。
そうやからいいっていう。

山崎伸吾 荒川香織:へー!

竹中健司:芸術じゃなくて、商業印刷やってことを忘れてはいけないという発想。
それを思うと、ここは一色でしたらこんなのができるよ。 とか双方思う形をつくっていく。それがこれからの展開で面白いかな。

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山崎伸吾:着物でも版画でも、絵を描いていた人が今でいうデザイナーの役割をしていたんですもんね。

竹中健司:そうそうデザイン。今でもいはるけど絵屋さんっていう絵師。
絵屋さんはロウソクにも描くし、器にも描く。

絵屋さんはいろんな工芸のものを触るので、その時に「これは出来へんで」 とか「これはできるで」とかいうてるうちに鍛えられたものが脈々とあった。
それが機械印刷が入って来てから、なんでもできるようになってきた。そしたらみんな無理をしてきて、今まで苦労したところが飛んでしまったんです。
だから今でも誰でも出来るようなパッケージが、似たようなものが並んでいるのはもう機械が使えるようになったことで今までのこと忘れてしまっているっていう。
今回もこれで昔のことを思い出してもらうと誰も出来へんパッケージがこれからまた出来てくるんです。

荒川香織:私たちジャンプしちゃった気持ちすごいあるんです。

竹中健司:ブレイクスルーですね。

山崎伸吾:「ジャンプしちゃった」って、その話もっと聞かせてください。今までとは違う形のものづくりの方法や考え方が見つかったのかな。

 

つづく

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2020.03.01更新