京都文化 サブイボ通信 #11

03「胡粉って何?」

前回、“胡粉”という素材に少し触れました。
胡粉の色味は真っ白。
というわけではなく…よく見るとほんのりと色付いていて柔らかいのです。
胡粉は主に牡蠣などの貝殻から作られています。
身近なものだと、お雛様。雛人形のお顔のお化粧に塗られています。

 

こだわりの胡粉製法を体験する

胡粉がどのように作られているのか、工場を見学させていただけることになり、山本先生と見学に向かったのは宇治にあるナカガワ胡粉株式会社さんです。
ナカガワ胡粉さんでは“イタボ牡蠣”という貝殻を使用しているそうです。

ナカガワ胡粉さんの工場のすぐそばには、貝殻の山が!
貝殻をまずは風化させ、上蓋と下蓋に選別し粉砕するそうです。
なので、貝殻に余りが出てしまうということもほとんどないのだそうです。

製造過程は本当に細かく段階わけされているのですが、ハンマーミルやスタンプミルなどで砕かれると、もう先ほどまでの貝殻の面影はなく、さらさらとした白い粉の姿に。

しかし、この段階で完成ではないのです。
この後、石臼湿式粉砕と呼ばれる工程があります。
見ての通り、とても大きな石臼で粉砕されていきます。
石臼が回っている姿に圧倒されました。

そして水簸沈殿槽というところに送られ、濾過されます。
温泉のような雰囲気でした。

そして除鉄された後、乾燥させるために板流しという作業をするのですが、なんと今回、その作業を体験させてもらえることになりました!

こちらがナカガワ胡粉スタッフさんの板流し。

程よいスピード感と綺麗な伸び。
ところが…
私たち学生が板流しをさせてもらうと…

なかなか伸びない・・・。
これはもう使い物にならないかもしれないのだとか。

機械作業の工程もとても凄い迫力がありましたが、やはり長年の伝統を受け継いできた腕。
というのでしょうか、技の凄さを感じました。
まさにサブイボ(トリハダ)が立ちますね…!

普段私たちは作品を作る際に、自分で作ることもありますがほとんどは顔料をお店で買って、そのまま作業に取り掛かります。
これからは、使う前に、一度止まって、この顔料はどうやってできたのだろう?
ということを考え、調べていこうと思いました。
一度冷静になり、作品と、道具と、材料と向き合うことができる特別な時間だと感じます。
今回の見学で、自分たちが作品を作る道具や材料となるものの由来を知ることは、とても大切なことだと学ぶことができました。
由来を知ることで、作品に対する想いだけではなく、その作品の基礎となる存在への感謝、有り難さ、尊敬、様々な想いが増します。

ナカガワ胡粉さん、山本先生、貴重な体験をありがとうございました。

 

つづく

2020.06.01更新