職人
interview
34

京提灯の職人
小嶋商店さんにお話を伺いました。

創業は江戸寛政(1789~1801)年間。小嶋商店は、現在では数少ない京提灯の担い手としてご家族で役割を分担をし、京提灯を作っておられます。AIや機械が発達する中、全てを手で行う小嶋商店。9代目の小嶋護さん、10代目の小嶋俊さん、諒さん、そして武田真哉さんにお話をお伺いしました。

 

日々大切にされていることはありますか?

俊さん
みんなで相談しながらこれはやるかやらへんかって決めんねんけど、結構感覚的で。
「ワクワクせえへんからやめとこう」とか。俺が感覚でやるタイプで、諒とか慎ちゃん(武田慎也さん)は理由とかしっかりして始めるタイプ。アプローチの仕方は違うけど、やりたいんやったら協力する。基本みんな「やろう」やで。

護さん
“粋”に感じる仕事っていうのが最近増えてきてて。昔は提灯の数上げることばっかり考えて、言われたものを作るっていうのが俺らの仕事だったから。自分らの名前も出せず、どこいってるか分からへん。
昔はFAXでこれ作ってくれってのがきて、納期までに作って、間に合わへんかったら何や言われる。値段は自分らで決められへん。そういう仕事っちゃ仕事やし、製造業ってそういうもんやから。
今は息子らがいろんな案件持ってきてもらって、提案したりとか、喜んでる顔がみれたりとかできるから、すっごい羨ましい。俺は一番しんどいことしてたんかなって今は思うな。

俊さん
でもよかったんは、何がきても対応できる。そういう仕事毎日こなしてるから。そうやって注文くれてる人には感謝やし、それせんといきなりじゃあって言われた時対応できへんことたくさんあると思う。よかったんちゃう、全部。親父もそれしてたから小嶋護で作品作ろうってくらい腕があるわけやけら、全部正解かなとは思うけどな。
親方が一から十まで作ってサイン入ってる作品って絶対かっこいいと思うねん。だからやってみたほうがええんちゃうかな。
旅行とか行きがてら紙の産地とか回って、ここの紙ええんちゃうかとかっていうのもできたらなと思ってる。もうおじいちゃんやしな(笑)


▲ 若い頃の護さんと諒さん

今色々なことに挑戦されていますが、今後挑戦していきたいことはありますか?

俊さん
今各々が持ってるものを形にしていこうと思っている。俺は子供をターゲットに動いて、諒は提灯を違うものにして、慎ちゃんは海外へどんどんいって、親父は自分の作品を作る。各々が一個ずつでも結果出していく。今入ってる仕事をやりながら。その4棟が全部柱にならなあかんなとは俺は思ってる。とにかく毎日勝負。入ってくる話に関しては、1持って来てくれはったら100くらい面白くしてまた一緒に仕事できるようにする。それの繰り返しかな今は。
最初は地味なもんや。結局地味に広がっていくほうがええねんな。

京都という歴史ある街の先っぽにいる

京都はどういう街だと思われますか?

俊さん
ほんますごい街やと思う。角曲がったら伝統的な建物とか老舗のお店がたくさんあるし。

京都は古いものと新しいものが共存してる感じがします。

俊さん
共存な。でも新しくて、役に立たんもんっていうのはうまく排除しはるよな。全部受け入れるわけじゃなくて、ちゃんと選んでる感じがある。ものすごく。

私たちは、社会の最先端にあるものだけが「新しい」と捉えるのではなく、古いものでも何か新しい可能性があるのではないかと考えてこの活動をしています。
小嶋商店さんの中で、「古いものは新しい」と感じる時はありますか。

俊さん
竹から作ってる提灯自体は昔からあるけど、今の人そんなん知らんやん。だからそれが「新しい」って捉えてもらえるから、全然心配はしてない。

武田さん
古いものと新しいものは表裏一体で、どっちにもなり得る。新しいものは古いものに変わっていくし、古いものも新しいものに変わっていくから。それが京都っていう歴史がある中の、俺たちは先っぽにいると思う。無くなるかも知れんし続くかも知れん。その視点を持つことが大事だと思う。俊とかはそういうところ感覚的にわかってて、それを言葉にするのは難しいけど、「大丈夫」って言いつづけたら絶対大丈夫になるから。

 

おわり

 

2020.10.01更新

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Traditional Craftsman
interview 34

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Text by Suzuki Hinae
Photo by Nakata Kenta

「職人interview」#34
小嶋商店 京提灯
小嶋 護
小嶋 俊
小嶋 諒
武田 真哉

文:
鈴木 日奈惠(基礎美術コース 4年)

撮影:
中田 拳太