About Whole Love Kyoto
#05

About “TSUKIDASHI SHIBORI”
片山文三郎商店

KYOTO T5とWhole Love Kyotoは、
京都を拠点としているからこそできること、
観光で訪れるだけでは、出会うことが難しい
京都の体温に触れてきました。
伝統文化を知り、職人の思いや技術を知り、
一歩踏み込んで、京都の本質をのぞいてきました。

Old is New.
古いものは新しい。

様々な手法のリサーチを通して生まれる、
Whole Love Kyotoの製品です。

このコンテンツでは、
Whole Love Kyotoの製品について
アイテムの背景や活動を振り返りながらご紹介します。

 

今回は、絞り染め 片山文三郎商店さんとのコラボ商品、「HANAO SHOES Craftsman」シリーズより「TSUKIDASHI SHIBORI」 をご紹介します。

HANAO SHOES は、草履や下駄にすげられた「鼻緒」をスニーカーに取り付けたアイテム。
ひとつひとつ手仕事でつくられた鼻緒が、現代のライフスタイルに寄り添いながら彩を与えてくれます。

そして、この「HANAO SHOES Craftsman」シリーズは、京都の伝統工芸の職人さんによる技術とコラボレーションしてつくられた「新しい鼻緒」を付けたもの。ひとつの鼻緒ができるまで、さまざまな職人さんの技術が詰まったアイテムです。

今回ご紹介する「TSUKIDASHI SHIBORI」は、突き出し絞りが施されたオリジナルの鼻緒。コラボを持ちかけてくださった片山文三郎商店3代目当主の息子さん 片山一也さんにお話を伺いました。

 

Whole Love Kyotoとの出会い

Q.今回Whole Love Kyotoとコラボしようと思ったきっかけを教えてください。

うちはそもそもコラボとか今までしてなかったんですよ。もともと呉服屋としての片山文三郎商店だったときも、自分たちでもの作りをして、デザインして、自分たちで売りに行く、ってことをずっと続けてきたので、生地自体を売るって行為も今までなかった。「自分たちの生地は自分たちの財産や」という考え方で。今まではそういう考えだけでもの作りをしてきたんですけど、昨今、こう状況が変わってきた中でやっぱり、自分たちだけでできることって範囲が狭いじゃないですか。いろんなところとコラボレーションすることによってお互いWINWINの関係になれたらな、という考えで、最近やりはじめまして。

Whole Love Kyotoさんとの出会いは、パリで開催された、MAISON & OBJET PARIS (2020)です。あのとき、「TOCHU」を見かけたんですけど、うちも糸掛かったまんまの状態での商品も考えていたので「先やられた!」と思った印象がすごく残っていたのがきっかけです。そこでのWhole Love Kyotoさんの展示がすごいきっちり作られてたんですよ。海外の展示会で「ここまで作るんや、この人ら。」とすごく衝撃を受けたし、「京都」というのをドンと出してやられていて、すごい面白いなって思いましたね。ポップな感じでやられているし、今のうちが目指す方向に、コラボするにはぴったりかなと思ってお声掛けさせて頂いたというところですね。

 

継続に向けて

Q.目指す方向とは、どういった方向でしょう。

Whole Love Kyotoさんは若いお客様にアプローチしていて、受ける商品を作られてる、といったところがすごく一緒にやりたいなと思ったところなんです。うちの顧客層は50代だったら若い。主要って60代、70代。やっぱりそこにずっと縋っていてもなかなか商売が続いてくか、って考えると続かないなって思ってるんですね。なのでお客様の層を広げていきたいなっていう方向です。

Q.デザインは一也さんがされているのでしょうか?

んー。(片山文三郎商店スタッフ)みんなでしてるって感じですね。

Q.お店の奥の部屋にいらっしゃる方々も?

そうです。店員さんもしながら、デザインもしながらです。うちの場合多いときは年間1000アイテムくらい作っちゃうんですよ。あんまり考えずにサンプル作って、これ良いじゃん!って。そうゆうやり方が良かった時代もあったんですよ。ただ、こういう時代になってきたらその作り方では難しいよね、と。お金も出ていく話ですしね。サンプル1個作るのにもお金かかってるし、それをちょっと考えないといけないなあ、とは思っているんですけど、基本的にはみんなでやっています。

Q.デザイン持ち寄って吟味して…という感じですか?

いやいや、僕が作ってるものは僕が作ってるもの。社長が作ってるもんは社長が作ってるもん。今でもそういうやり方なんです。そこを変えていかないといけないんですけどね。
社長は「人に聞いたらいいもんできひん。」っていう考え方の人ですから。自分が作ったものが一番。それは今の売り上げの主たるものは彼が作ってきたものなのでもちろんそうなんですけどね。

Q.そうなのですね。商品を作るうえで大切にされていることを教えてください。

女の子が見てまず、「可愛いか可愛くないか」っていうことを最近はめちゃくちゃ考えますね。うちは定番の型を作って、その型の中で絞り方変えたり、色を変えたりってしているんですけど。僕は黒っぽい洋服が好きなので、最初の頃なんかは黒いものばかり作っていたんですね。でもダークな色は年齢層高い人に好かれやすくて。さっき言ったみたいに、ちょっと若い層にいこうと思ったら、やっぱりそういう方たちって、もちろん値段もそうやけどパッと見たときに可愛いか可愛くないかじゃないですか。女性スタッフに見せても、うちの子どもに見せても、嫁に見せても、そのどっちかで返ってくるので、「あ、この感覚って男性の感覚とは違うんやな」と、そこの感覚は凄く反省しています。「いろいろな加工をして、うちらがこだわっているからいいでしょ」って男性の感覚なんですよね。それを売る相手が男性だったらいいんでしょうけど、女性に対してそのこだわりって通用しなくて。可愛くなかったら要らないじゃないですか。なので、最近はそこのマインドをちょっと変えて、もの作りをしています。

 

おわり

2021.5.26更新

About Whole Love Kyoto -interview 05-
TSUKIDASHI SHIBORI
Katayama Kazuya

Text by:
Tomizuka Chiri


About Whole Love Kyoto -interview 05-
TSUKIDASHI SHIBORI
片山 一也

文:
富塚 千璃(空間デザインコース)