職人
interview
38

畳の職人
太田成樹さんにお話を伺いました。

太陽が輝く夏のある日、以前からSNSで気になっていた京都の西陣にある畳屋さんに取材のアポイントメントを取った。どんなお話が聞けるのだろうと胸を躍らせ、軋むお店のドアを開ける。すると、まさに仕事中の畳職人・太田畳店 太田成樹さんがそこにいた。「狭い場所ですみませんね。どうぞこちらに腰掛けてください」イグサの匂いが漂う仕事場で取材は開始されました。
畳の魅力って何だろう?どういったことを考えて作られているんだろう?私たちと一緒に畳の世界を覗いてみましょう!

 

人に寄り添い、織りなす未来

太田畳店さん自体は1930年代創業とお聞きしています。

えっとね、一応昭和14年にうちの祖父が組合の方に職人の派遣を依頼した記録が残ってるので、一応1930年創業という形になっているんですけど、もしかしたらそれよりもっと前になるかもしれません。

かなり長いこと続けられているんですね。

いや、どうなんですかね。まだ80年ぐらいですもんね。この間もホームページ作る時に「創業昭和14年って入れますか?」と聞いたら「80年やったらちょっと、、」って言われましたもん(笑)
京都で80年やとちょっと他から笑われる可能性があるそうです。うちが大体三代目なんですけど、他のところとかは一代多いところが多いみたいです。

80年と聞くととても長く感じるのですが、畳の業界の中だとそうなんですね。畳屋の数に関しては、やはり減ってきているのでしょうか?

大分減ってますね。何件あるかまでは正直把握できていないんですけど、組合員(京都畳商工協同組合)の数自体が100件を切ってしまっているんです。僕がこの業界に入ったときは100件を超えていたのが、今はもう70件ほどなので。それも他府県の畳屋さんも数に入ったものなんです。京都の純正な畳屋さんはかなり減っていると思いますね。後継者がいなくなっていると感じています。

太田畳店さんの場合は、息子さんに継いでもらったり、お弟子さんに継いでもらうといったようなことは考えてらっしゃったりされるんですか?

そうですね、今うちにいるのが娘だけなんですよ。だから、娘婿をもらうのか、もうそこで畳んでしまうのか。まぁ、ここから僕の頑張り次第ですね。

今後どういったことに挑戦されるとかそういったことはありますか?

今は本当色々なことに挑戦させていただいていて、いろんな新商品の開発も行っています。僕らはやっぱりあくまで工事がメインなんですけど、新商品を開発することで店の知名度が上がって、注文をいただけるような状況なんです。
ここの裏の通りに行っただけでも、ここに畳屋があることを知らん人が多いですから。僕も裏の通りどんな店があるかって知らないですし。そういったことがあるので、少しずつでも知ってもらって、注文をいただけるようになったらいいなと思っています。

最近SNSも始められて、それを拝見して、今回お話を伺わせていただいたんです。

ありがとうございます(笑)それも本当今言っている情報に関する話ですよね。昔の親父らのイメージからしたら、畳を変えるのは年配の方だという固定概念があったんですけど、今は子育て世代の方でも畳を変える可能性を秘めた方が多いように感じています。そういった方はTwitterなどのSNSを活用されている方が多いですね。

今回はお時間をいただきありがとうございました。最後の質問になるのですが、太田畳店さんが考えられる太田畳店さんの魅力とはなんでしょうか?

お客さんに寄り添った仕事をさせてもらっているところです。話をいただいてすぐに「できません」じゃなくて、まずは話をお聞きしてから、それができるかどうかをちゃんと判断させていただきます。お客さんの話を聞いてからちゃんと仕事をさせていただくことを大事にしています。それでできへんかったらごめんなさい何ですけど(笑)

 

おわり

 

2021.10.7更新

Traditional Craftsman
interview 38

Tatami CRAFTSMAN


Text:
Taniguchi Yuki

Photo:
Nakata Kenta


「職人interview」#38
太田畳店 太田成樹

文:
谷口雄基(基礎美術コース 3年)

撮影:
中田挙太