イノダ本店の名物は、何だろう。
植坂さん:
京都の朝はイノダコーヒの朝から。本店の名物は香りから。
「京都の朝はイノダコーヒの香りから」これはうちのキャッチフレーズです。
だから、本店はやっぱり朝が早い。これ名物やな。
河本さん:
うん、名物。
植坂さん:
常連さんはもっと早いけどね。私らより、朝が早い。
酒井:
またその話…。あの、常連さんって鍵持ってるんですか?
河本さん:
あはは、そんなわけ(笑)
植坂さん:
朝、私たちが出勤するじゃないですか、すると一応正面は施錠は開くんです。
自動ではないですが手では開くんです。ちょっと重たいんですけど、開けはるんですよ!
オーディエンス:
(笑)(笑)
植坂さん:
そして真っ暗の中座ってはるんですよ。
オーディエンス:
(笑)(笑)
河本さん:
こわいなぁ(笑)
酒井:
…。
植坂さん:
本店には、いろんな部屋がある。シーンやお客様の気分に合わせて選んでいただけます。今日は本が読みたいなぁって思ったら旧館とかおすすめですね。静かですし、1人でも居心地が良いし。ちょっとワイワイ女子会や、家族みんなでご飯食べたい。だったら、本館。
広いですからね、ある程度大声で話していただいても大丈夫。お子様がいらっしゃっても。
それから本館二階とあとお庭。春や秋はお庭のお席はすっごい気持ちいいですし、ガーデン席。
そういうシチュエーションに合わせた楽しみ方が一個のお店でできる。
名物ですね。
河本さん:
すばらしい。
佐藤さん:
うん、すばらしい。
酒井:
ここ(メモリアル館)も入れるんですか?
植坂さん:
もちろん入れます。ここも好きな方は好きです。
でもコロナの関係で従業員を減らしてる時は回らないんですよ。お店本体がおっきいので。
本館、お二階、旧館、ガーデンとなるとここがね、4テーブルだけですが見れなくなってしまうんですよ。
なのでちょっと今はご案内できないですが、それを寂しがられたりとかはありますね。
三条支店の名物「カウンター」は回るの?
酒井:
佐藤さん三条支店の方は名物は?
佐藤さん:
唯一無二のカウンターですね。
植坂さん:
「僕です」じゃない?
佐藤さん:
あ、はい、僕はまだまだです。
植坂さん:
ポストカードのモデルになっても…?
一同:
(笑)(笑)
酒井:
ははは、ポストカード(笑)
植坂さん:
買わへんわな(笑)
佐藤さん:
だれも買わないですよ(笑)
河本さん:
でもいいかもしれん、グリーティングカードで、ニョキーンて(笑)
植坂さん:
こわい(笑)
酒井:
ではその唯一無二のカウンターのエピソード一つお聞かせください。
佐藤さん:
エピソード…。三条に異動になってまだ1年半なんですけども…。
植坂さん:
「回るの?」って聞かれたりとか。
河本さん:
結構ほら、回転寿司とか言われへん??
佐藤さん:
うん、確かに外国の人もパッと見て「SUSHI?」って聞いて、「ノー、コーヒー」
河本さん:
衛生面でキャップをかぶり出してから、めっちゃ「寿司?」って聞かれるようになったよね。
植坂さん:
昔は、キャップ被ってなかったので、すごいスマートな感じで絵的にもよかったんです。今は帽子かぶって、手袋して、「SHUSHI?」ってめっちゃ多かった(笑)おもしろい、名物。
佐藤さん:
ほんまにすごい人気のある席なんで、最近では若い方も希望されます。
こないだの連休も「お待たせしました、カウンターですけどよろしいですか?」って聞くと「やったー!」って。
本店に入りきらないから来られる方もいらっしゃいますが、それ以上に今は三条目指して来てくださってるなと感じます。
三条は、従業員との距離も近くて、お客さん同士もどんどん仲良くなられていったり。
最初は挨拶程度だった人が隣に座って喋って、なんだか仲が深まっていきますし。
そういう点、従業員とお客様、お客様同士もそうですけど距離感がすごく近い。その点が特徴だと思います。
京都駅のポルタ支店に長く勤務しましたが、駅は実際イノダを知らないで来店される方も多かったですし。でもやっぱり本店と三条支店を目指して来ていただけているとことには、期待の大きさを感じます。
酒井:
ちなみに、僕は「カウンター」よく行かせてもらってますけど未だに誰とも話したことがありません、お客さんと。
河本さん:
何かオーラが出てるんじゃないですか?
酒井:
話しかけるなって?あー出てると思います(笑)
一同:
(笑)(笑)
酒井:
三条支店のカウンターには、本店の5番テーブル的な風習はないんですか?ここはこの方の席、というような。
佐藤さん:
だいたいいつもそのへんの場所に座らはるっていうのはありますけども、あいてなかったらそこまでこだわはるような方はいないですね。
河本さん:
ないですね。
植坂さん:
でもだいたいあの方はこの辺っていうのはある。
河本さん:
そうそうそう、だいたいの位置はありますね。
植坂さん:
やっぱり落ち着くんでしょうね、「いつものこの辺」っていうのが。
酒井:
植坂さん、三条で働いたことあるんですか?
植坂さん:
あったかなぁ?
河本さん:
よう言いますわ(笑)
植坂さん:
ありましたねぇ(笑)
オーディエンス:
(笑)(笑)
酒井:
この3人は一緒に働いてたことあるんですか?
佐藤さん:
植坂さんとはありますけど、河本さんとはないです。
植坂さん:
本店では一緒やったね。
酒井:
佐藤さんと河本さんは?
河本さん:
勤務としてはないですね。
植坂さん:
出張ぐらい。
とりあえず笑ってた、三条のアイドル。
佐藤さん:
河本さんは、三条支店が1番長いですよね、7、8年?
河本さん:
合計?10…13?
佐藤さん:
三条愛が凄いと思う。
酒井:
合計ってどういうことですか?
河本さん:
入社して最初に入ったのが三条で、そこでもう7、8年ずっとで「異動ないわ、ずっと私はここや」って思ってだけどピッと出されて(笑)
植坂さん:
だから三条の顔やったんですよ。
酒井:
三条の顔?
植坂さん:
もうね、アイドルだったんです。
酒井:
アイドル?
植坂さん、佐藤さん:
アイドルでした。
酒井:
アイドル。その時は店長じゃないんですよね。
植坂さん:
新入社員からアイドルでした。
酒井:
何をしてたんですか?
河本さん:
踊ってないですよ(笑)レジとホールです。
一同:
(笑)(笑)
酒井:
どういう風にアイドルだったんですか?
河本さん、植坂さん:
うーん、
佐藤さん:
他の店から「めちゃめちゃ可愛い人いはる」って、ほんまに。
植坂さん:
そうそうそう。
佐藤さん:
イノダ1、2やなって。
酒井:
へ~、モテたんでしょうね。
河本さん:
いやいやいや、もう田舎っ子で、ぺーぺーで。
植坂さん:
それが良かったんですよ、それでツンツンしてたらダメだったんですよ?
河本さん:
とりあえず笑ってたんですよ。
とりあえず笑うことにほんまに集中して。何でもかんでも笑ってましたね。
笑うか、泣くか。あの頃は(笑)
京都の隠れ家、四条支店。
酒井:
三条支店長くて、今は四条支店じゃないですか、四条にはどんな特徴があるんですか?
河本さん:
四条はね、フード。食事がいっぱいあります。メニューが1番多くて。
酒井:
本店よりですか?
佐藤さん:
うん。
河本さん:
本店より、セットメニューとかオムライスとかも普通に売ってるんです。
酒井:
じゃあ四条の名物はごはん?
佐藤さん、河本さん、植坂さん:
オムライス。
酒井:
オムライスがあるんですね?
植坂さん:
洋食屋さんっていう感じで。
四条はビジネス街。会社が多いので、ランチで食べにくるっていう、そういうお客様をターゲットにしたメニュー作りをされているので。
河本さん:
昔から四条だけはレストラン化っていうか、そういう方向性で。
植坂さん:
でもって地下にあって、私の中では隠れ家なんですよね。
ちょっと普通の方には気付いていただけないような。
でも入ったらバン!って広いところで、京都の隠れ家的な、そんなイメージをお客様は受けていると思います。
河本さん、佐藤さん:
うんうん。
河本さん:
けっこうびっくりしはる。
植坂さん:
うわ、ええ?こんな店あった?
河本さん:
こんな地下やのに、みたいな。
酒井:
嬉しいんですか(笑)
河本さん:
嬉しい(笑)あんにゃで~って思って。
ここにもあんにゃで~来てや~って(笑)
植坂さん:
そうそうずっと昔からあんにゃで~って(笑)
オーディエンス:
(笑)(笑)
河本さん:
今日知ったんやなぁ(上から目線)みたいな(笑)
酒井:
僕も一回しか行ったことないです。
河本さん:
あるんですかー!
酒井:
一回あります。
河本さん:
イタリアン食べに?
酒井:
そうです。
イノダコーヒへ、ようこそ。
#02
聞き手:
酒井洋輔
話し手:
植坂理栄子さん
河本純子さん
佐藤 剛さん
文:鈴木はな佳(ファッションデザインコース)
イノダコーヒ HP:
https://www.inoda-coffee.co.jp/
京都の中心地の徒歩圏内にある3店舗ごとの特徴から、それ以外のお店の話まで、そしてイノダコーヒがイノダコーヒである秘訣へーーー。
笑い話の中に、京都の伝統文化のヒントがあります。
イノダコーヒへ、ようこそ。