イノダコーヒ店長みなさんのMy favorite shopを教えていただく。
酒井:
結局皆さんはどの店が1番好きなんですか?
河本さん:
三条支店です。でもこれ載せたら、今(四条支店)のスタッフが悲しむかなぁって。
植坂さん:
そうね、これ辛い質問だね。
佐藤さん:
うん難しい。
植坂さん:
ここだけの話やね。
酒井:
じゃあ、ここだけの話とかはしなくて大丈夫です。
河本さん:
ここだけの話が多すぎて(笑)
佐藤さん:
今はポルタ支店です。長年ずっと居たんもありますし。
河本さん:
そやな。
植坂さん:
やっぱり長く居たところがね~。
佐藤さん:
めちゃくちゃ忙しかったけど、色々成長させてもらえた場所やし。
植坂さん:
思い入れがね。
酒井:
佐藤さん、三条支店ではなく、ポルタ支店が1番好きなんですか?
佐藤さん:
今は、そうですね。
河本さん:
えっと、「好き」っていうのはどういう感じ?愛着があるとか、愛情とか?
酒井:
店舗としてどこが好きですか?自分がお客さんだったらどこに行きますか?
植坂さん:
清水かなぁ。
河本さん:
清水好きやったなぁ。今はなき。
*「イノダコーヒ 清水支店」… 清水寺の近く、産寧坂にあった「清水支店」。2000年の開業から20年間営業していたが、2020年6月に閉店。
佐藤さん:
どこ行くやろ、自分やったら。
植坂さん:
私、面が割れてへんかったら本店のガーデン席やなぁ。
酒井:
割れてません、面は。割れてない前提でお願いします。
植坂さん:
そしたら本店のガーデンですね。
酒井:
なぜですか?タバコ吸えるから?
植坂さん:
吸わないですけどね?(笑)開放感。
良いですよね、こんな京都の中心地のお庭でコーヒーをぼっーと。なんて優雅な。
札幌大丸支店の、窓側カウンターのこと。
酒井:
佐藤さん、お客だったら?
佐藤さん:
うーん、札幌大丸!
植坂さん:
あー、私もそれやったら札幌大丸かな。札幌大丸の窓側の席。
河本さん:
うん窓側ね。
佐藤さん:
もう最高です。
酒井:
みんな行ったことあるんですか?札幌。
植坂さん:
私は札幌に勤務してましたもん、3年。
酒井:
みなさん札幌大丸支店に勤務経験あり?
河本さん:
私は、旅行経験あり。
佐藤さん:
ヘルプで。1週間ぐらい勤務経験あり。
酒井:
読者が札幌大丸の店を想像できるように、言葉で描写してください。
佐藤さん:
…描写。窓際のカウンターから見る景色。四季折々の景色ですね、夕日であったり。道路と街路樹ですかね。
一同:
道路(笑)(笑)
酒井:
その道は広い道なんですね?
植坂さん:
広いです。駅前の大通りで。
酒井:
御池通りぐらいでしょうか?
植坂さん:
御池通りくらいです、はい。その広い道は4車線あるのですが、一方通行なんですよ。
なぜかというと冬、除雪車が雪を分けていくんですね。
そしたら雪の壁ができますね、すると実際2車線ぐらいになるんですよ。なので一方通行なんですよね~。
酒井:
あのー、植坂さんじゃなくて、佐藤さんに描写お願いしたんですが…。
佐藤さん:
…描写できない!(笑)
一同:
(笑)(笑)
酒井:
まとめると、札幌のお店は大丸の中にあって窓側にカウンターがあるんですね、高いところから見下ろせるということですか?
佐藤さん:
そうです、バーっと一望できるんです。
酒井:
広い道がどう見えるんですか?
植坂さん:
冬の雪景色がね、景色がいい。
佐藤さん:
雪であったり、秋のはっぱ、、街路樹の色の移りー
酒井:
はっぱ、(笑)
一同:
(笑)(笑)
佐藤さん:
緊張で表現が(笑)
植坂さん:
秋の葉っぱ(笑)
佐藤さん:
美しいです。
酒井:
その路がどっちに向いてるのかが気になるんですけど、平行ですか?斜めですか?それともまっすぐですか?
植坂さん、佐藤さん:
まっすぐです。
酒井:
まっすぐということは、道の上に大丸が立っていることになりますけど?
植坂さん:
そうなんです、札幌駅の上なんで。
札幌駅の駅ビルの中にうちの店があるんです。で、道は駅で行き止まりなんです。
そこにこう、まっすぐどーんとあるんですよ。
酒井:
うわぁ、それ良さそう、ほんとに。
佐藤さん:
うん。
植坂さん:
で、窓際にアーチ状のカウンターがあって。
酒井:
窓が丸いんですね。
植坂さん:
そうそうそう。そこで、ぼーっとしてね。
酒井:
カウンターしかないんですか?
植坂さん:
いやテーブル席もありますが、窓側を待たれますね。1時間以上待たれる方も。
「閉店までに空いたらいいよ~」っておっしゃって。
オーディエンス:
へ~!!え~!!
植坂さん:
すみません~言うたら、「ええよ~そんなに待ってたか~」ってぐらいの。のんびりしてはる。
ほんっとに時間忘れます、北海道は。
酒井:
札幌のお店、行ってみたいな。
植坂さん:
京都と同じで碁盤の目、縦と横しかないんです、中心部は。
だからすごく過ごしやすい、お出かけも行きやすいですし。ぜひ行ってください。
北海道の観光大使みたいになってきた(笑)いいところです。
やっぱり三条。三条のカウンター席。
酒井:
佐藤さんは札幌店。植坂さんは本店の中庭(ガーデン席)。じゃあ、河本さんは?
河本さん:
やっぱり三条かなぁ。三条のカウンター。
酒井:
で、名物のスタッフの仕事ぶりを見る?
河本さん:
うん、動きを見る。
ていうか普通に座って、コーヒーが何も言わずに出てくるのがやっぱり羨ましいですし、何気ないサービスを受けれるのがいいかなと。
直で感じることができるし。
酒井:
何気ないサービス。
三条のカウンターのサービスは素晴らしいですよ。
河本さん:
うん(笑)レベル上がってますよね。
植坂さん、佐藤さん:
うん。
酒井:
あ、上がってるんですか。
河本さん:
上がってますよ、昔いた頃より全然上がってますよ。
酒井:
カウンターのドンはやっぱり中川さんなんですか?
河本さん:
そうです、女性で、
植坂さん:
怖いねぇ、(笑)
河本さん:
後ろに目があるので、目何個持ってるんやろっていうぐらいね。
植坂さん、佐藤さん:
そうそうそう
河本さん:
夜がいいですね。夜の穏やか~な時間のカウンターが好きです。
佐藤さん:
たしかに。
酒井:
植坂さんは三条の時は店長でいらっしゃったんですか?
植坂さん、河本さん:
そうです、そうです。
酒井:
店長なのに中川さんのことが怖かった?
佐藤さんも現店長ですが、中川さん怖いですか?
佐藤さん:
いや、怖くないです。たんっのもしいです。
植坂さん:
え、怖いんじゃないの(笑)噛んでるけど(笑)
一同:
(笑)(笑)
植坂さん:
もうすでにビビってますね(笑)
酒井:
ビビってますね(笑)
佐藤さん:
いやいやいや(笑)
最初「すごい厳しい人やで~」って聞いてたんですけど、一緒に働くと頼もしいし、熱いハートを持っていて、楽しいです、本当に。
酒井:
よかったです(笑)
植坂さん:
保護者??(笑)
「ザ・京都人」が常連さんの四条支店。
河本さん:
オムライスしか言ってへんねんけど、私。(笑)
植坂さん:
オムライスと、隠れ家。
酒井:
隠れ家っていうワード強いですね。
河本さん:
隠れ家いいよね。私の中ではずっとそうやわ。
酒井:
でも、やっぱりみなさんお店のことめっちゃ好きなんですね。
植坂さん:
いやどこのお店も、本当にいいですよ。
酒井:
そう言えることは、本当に素敵なことですね。
佐藤さん:
うん。
植坂さん:
お客さんあったかいですよね。
佐藤さん:
うん、あったかいです。
植坂さん:
ほんのちょっとした言葉によって癒されるというか、
河本さん:
厳しい人もいるけど、手振って入ってきはる人もいるし。さっき帰らはったひとも(笑)
酒井:
あ、さっきの外から手振ってくれてはった方お客さんだったんですか?
河本さん:
あ、お客さんです。三条の、結構厳しい(笑)
植坂さん:
結構厳しい人(笑)
河本さん:
うん厳しい。その人が手振ってた(笑)
四条にもたまに来てくれはって、「いつもいいひんやん」って怒られるんです(笑)
酒井:
四条はビジネス街なので、仕事のお客さんが多いですよね?
河本さん:
そうですね、打ち合わせされる方も多いですし、でも買い物帰りの主婦の方も多いし、混ざってますね。
酒井:
ビジネスのお客さんたちも優しいんですか?優しいっていうかあったかいんですか?
河本さん:
いえ、ビジネス関係の方はいちお客さんです、連続して来はることがあまりないんで。常連さんは、おじいちゃんおばあちゃんが多いです。
佐藤さん:
働いたことないんでイメージですが、やっぱり四条ってすごい「ザ・京都人」のお客様。めっちゃ厳しいイメージがあって。
河本さん:
うん、地元のおじいちゃんおばあちゃんはね。
佐藤さん:
だから本店、三条支店とはまた全然違うなって思いますね。
酒井:
観光客があまり来ないということですか?
河本さん:
うん、あまり来ない。だから外国人とか、あんなに京都に来てたのに、全然こなかったですもん。
隠れ家やから(笑)
酒井:
あ~隠れ家ですね。本店や三条はめっちゃ来ますよね?
佐藤さん:
うん。
河本さん:
だから常連さんも多分安心してはったと思う。
植坂さん:
いつ行ってもゆっくりできる場所ですね。
酒井:
じゃ四条あんまり並ばないんですか?
植坂さん、河本さん:
並びますよ
一同:
(笑)(笑)
酒井:
並ぶんですか(笑)
河本さん:
並びます、並びます。お昼に。11時すぎぐらいから。
酒井:
じゃランチは本当にみんなそこで食べたいんですね。
河本さん:
そう、みんなごはんを食べたいんですよ、みんなお食事です。
酒井:
ちなみにおいくらなんでしょう?
河本さん:
オムライスと、コーヒーが1560円、セットで。単品で1050円。
酒井:
ビジネス街のランチとしては、結構しますね。
オムライス好きなんですか?
河本さん:
オムライス好きです。(笑)
結構セットもんが多いですね。毎日イタリアン食べに来はるおじいちゃんもいはるし。
「毎日同じですね」ってこないだ店で聞いたら「飽きもせんと、好きやねん」って言ってくださって。
イノダコーヒ に「おかえり」
酒井:
では、そろそろまとめに入りたいと思います。
植坂さん、イノダコーヒらしさってなんかんですか?
常連さんに教えていただけるんですよね、イノダはこうじゃないといけないっていうのを。
植坂さん:
今は染みついてるんすけどね、イノダコーヒらしさ。
お客さまは生活の一部やと思っています。朝来てここでコーヒー飲む。それがねルーティン?生活。「ないと困る」とよくおっしゃっていただきます。
だから改装などの際に半月ぐらい休むことがあるんですが、そういう時は本当に困ってはります。で、次会う時はちょっと「あれ、元気なかった?」って、だんだん元気になっていかはるっていう。
だから、無いといけないな、ってわたしは思います。あ、イノダコーヒらしさじゃないなぁ。
こだわり、持っているとこかな。何かしら持ってるよね。
佐藤さん:
あとマニュアルを押し付けないってことかなぁ、スタッフそれぞれに個性があって。
特に三条はコーヒーいれるスタッフ、サービスするスタッフによって個性がありますが、それをお客様は楽しんではるなぁと思います。
コーヒーは、ネルごしなんでいれる人によって味も変わるけど、でもそれを「個性やし」と言ってくれはるお客様が本当に多いですし。
個性かなと。押し付けない、無理のない。
植坂さん:
そやなぁ。生活やんな、来はって勝手にいつものコーヒーが出てくる。
それってお客様からしたら、ちょっとしたステータスなんかなぁって思うんです。
それが居心地の良さに繋がりますし、従業員はそれで「ありがとう」って言ってもらえたら楽しくもなるし。
覚えることが楽しくなって、もっとこうしたいもっとこうしたいっていう気持ちが強くなってくる。楽しくないと仕事なんてね、できないと思うんですけど、見てたらみんな楽しんでるとわたしは思います。イノダコーヒらしさじゃないなぁ。難しいな、らしさって。
河本さん:
らしさ、らしさ難しいなぁ。
植坂さん:
なんか喫茶店であって喫茶店でない感じ。
佐藤さん:
うん、三条とか特にそうですよね。
河本さん:
家みたいな、家庭、家族みたいな。
酒井:
家族?
佐藤さん:
たしかに「おかえり」って感じですね。
河本さん:
もうお客さんを家族的な感じで「今日体調どう?」みたいな。
妊娠しはったら、その子どもが生まれて、今やもう大学生になってる子もいはるし、それでも来てくれたはるお客さんもいるし。
お客さんの人生を一緒に歩んでいるっていうか。
やっぱり長年いたらそんな感じを、そんなことも体験できるし、面白いと思っています。
酒井:
けっこう良いこと言いましたね。
河本さん:
あ、良いこと言いました?ちょっとぞぞって来た(笑)
酒井:
家族何人ぐらいいるんですか?
河本さん:
いっぱい。「お名前なんやったやろ」って思いません?
植坂さん:
あーもう思い出せない、子どもの名前。でもすぐおっきくならはって、「おっきなったなぁ」って。
河本さん:
そうそうそう。
植坂さん:
「こないだベビーカーやったのに~!もう歩いてるわ~!」って。
河本さん:
そうそうそう、楽しいね。「べっぴんなったなぁ」って、「足長いな、最近の子は」って。
一同:
(笑)(笑)
植坂さん:
楽しい。
河本さん:
うん。やっぱ1番は、それやね。
酒井:
家族ですね。
河本さん:
良いこと言った。
佐藤さん:
うん。
オーディエンス:
(拍手)
酒井:
じゃ家族で終わろうかな。植坂さん、いいですか?
植坂さん:
わたしはもういいです、はい。
酒井:
では、本日は閉店後にも関わらず、お時間作っていただき、ありがとうございました。
一同:
ありがとうございました。
イノダコーヒへ、ようこそ。
#03
聞き手:
酒井洋輔
話し手:
植坂理栄子さん
河本純子さん
佐藤 剛さん
文:鈴木はな佳(ファッションデザインコース)
イノダコーヒ HP:
https://www.inoda-coffee.co.jp/
京都の中心地の徒歩圏内にある3店舗ごとの特徴から、それ以外のお店の話まで、そしてイノダコーヒがイノダコーヒである秘訣へーーー。
笑い話の中に、京都の伝統文化のヒントがあります。
イノダコーヒへ、ようこそ。