From T5
#研究員紹介|09


自分で考え、見つけて・決めて、進む!!

KYOTO T5(以下、T5)は京都芸術大学の通学部、通信教育部に通う学生メンバーで構成されており、京都の伝統文化についてのリサーチ・研究を行なっています。

アートやデザイン、歴史遺産など、それぞれの専門領域を横断するように集まった研究員たち。そもそもどんなきっかけで京都の伝統文化に興味を持ったのか。T5での活動と自身が学ぶ領域の関係をどのように考えているのかなど、このコンテンツでは、T5の研究員たちを月替わりで紹介します。

今回ご紹介するのは建木紫邑(たちきしお)さん、情報デザイン学科・クロステックデザインコース2回生だ。 3人兄弟の第1子として小さなころよりお母様から食事の大切さを繰り返し教えられ、自然と料理をするようになったというしっかり者の紫邑さん。物事にまっすぐ向き合い、良い事と思ったことは素直に受け入れ、実行していく姿はとても清々しい。


ユニークな行動力

彼女の行動力のユニークさはその高校受験時からみられる。高校でどうしても調理師の免許が欲しいという強い希望を持ち進学先を選んだそうだ。もの心ついたころから教えられた食の大切さを素直にとらえ、その専門性を身に着けようと決心していたのだろう。確かに食べることが重要なのは誰でも理解できるが、だからといって高校生という若さでそれに真剣に向き合おうとする人がどれだけいるだろうか。ましてや家の近くにはそういった高校はなく、ご両親の元を離れ、ひとり祖母の住む愛知県の高校へ入学しようとは……でも彼女は実行し調理師の免許を取得したのだった。


大学進学へ

進学先について希望条件の一つ目は、両親の勧めもあり、学生時代を京都で過ごすということ。昔から良いもの、良い食材も集まり、職人さんも大勢いるあこがれの地として京都があった。そして二つ目としてそのころ特に興味があった舞台芸術・演出のコースのある大学ということ。これらに絞って探すと京都芸術大学が候補にあがった。すぐにオープンキャンパスに参加したところ一番にクロステックデザインコースにひかれた。なぜなら、調理師の免許を持つといったことが企画・企業するうえで活かせるという助言をもらい、さらに高校在学中の活動で産学連携のプロジェクトに参加してやりがいを感じたことを思い出したからだ。こうして希望を貫き受験を突破し、クロステックデザインコースで学びはじめた。

T5には、どんなきっかけで入ったかというと、前から日本の伝統文化、職人さんに興味があり、T5のインスタグラムなどの広告を見て素敵な取り組みしているなぁと思い、入学したらT5に入り活動したいと思っていたそうだ。今は、職人インタビュー、ミーティング時の議事録なども担当している。今年度春からはT5グループリーダーとして活躍されている。早速、職人さんらのインタビュー記事の進捗状況を確認しまとめアナウンスするなど責任をもって着々と仕事をしていることがうかがえた。


今、挑戦したいことや将来に向けてやりたいことは?

この最後の質問に対し紫邑さんは次のように語った。

「なぜそうしたいかという理由からなんですが、少し前に2週間入院して食事が口から食べられない状態になったんです。徐々にペースト状のもの、細かく刻んだものを食べられるようになったのですが、その時に食事の見た目の大切さを身をもって実感しました。見た目で食欲もわかず、食べた気もしなかった。私は一時的な状態だったけれど、何かで食べることが困難になった人たちはずっとこういう食事を続けていかなければならないということに気づきました。どうにかならないか…そこのところ取り組んでいる会社とかないのだろうか? 調べたところ、食べやすくした食事(嚥下食)で見た目を大切に工夫されているところが何か所かあることを知りました。こういった取り組みをされている方たちとお話をしてみたい、私にそういったことにかかわる何かできることはないだろうか、何か関係したことをしてみたい。毎日のこと、家族で囲む食卓で自分だけ特別なものを食べるでななく、一緒に同じものを食べているという感覚は大事で大切なことだと思っています。」 きっと今頃何か動き出しているかもしれない。そう感じさせるこういった若者が少しずつ社会を変えて行くのだろう。


研究員紹介
#09
建木紫邑

文:杉浦康子(アートライティングコース)

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KYOTO T5(以下、T5)は京都芸術大学の通学部、通信教育部に通う学生メンバーで構成されており、京都の伝統文化についてのリサーチ・研究を行なっています。

アートやデザイン、歴史遺産など、それぞれの専門領域を横断するように集まった研究員たち。そもそもどんなきっかけで京都の伝統文化に興味を持ったのか。T5での活動と自身が学ぶ領域の関係をどのように考えているのかなど、このコンテンツでは、T5の研究員たちを月替わりで紹介します。