今回ご紹介する研究員は瀧山璃空(たきやまりく)さん、京都芸術大学プロダクトデザイン学科クロステックデザインコースの3回生。人当たりがよく、大変フットワーク軽やかではたから見てもとても気持ちよく溌剌と活動している研究員だ。
まず、璃空さんのご出身など聞かせてください・・・
「山口県出身です。うちはごく普通の、父はいわゆるサラリーマン、母はパートタイムで働いています。僕は大学進学で初めて親元を離れ京都で下宿生活しています。京都に興味を持ったのは、おじいちゃんおばあちゃんが京都好きで、よく旅行に連れて行ってもらったことがきっかけです。歴史にも興味があり、特に幕末が好きです。」
芸術大学に入学されたわけですが何か習い事とかされていたんですか?
「大学選択で意識したことはないですが、習字を小学校4年生頃から高校3年まで続けていました。中学生くらいまでは教えられる免状を持ってます。高校時代は美術部で写真を撮っていました。写真撮影のためアポを取り付けて、インタビューしたりすることもありました。写真を発表するときのタイトルは顧問の先生に承諾をもらわなければならなかったので、ずっと躊躇していたのですが、高校で最後の機会と思ってエプソンの写真コンクール、フォトグランプリに応募したところ、ポートレートが入選しました。高校2年生の後半から高校3年生前半では、生徒会活動もしていました。」
璃空さんは高校生の時から色々と活躍されていた。本人は全く意識されていなかったが、習字や写真といった芸術的活動にも興味を持たれていたことは確かだ。何より意志をもって積極的に過ごされてきたことが容易に想像できる。 このような活動が体験授業型入試で存分に発揮されたのだろう。この受験にいろいろ準備する必要もあったらしいが、高3の夏ぎりぎりに決めて受験され、見事合格を勝ち取られ今に至る。
T5に入ったきっかけはなんですか?
「T5のメンバー新里小春さんから“ICG(アイスクリームギフト)をお願いしている職人さんのところにインタビュー行くので職人さんに会えるよ、行ってみない?”と誘われて参加したのが最初でした。そのあと新入生の募集が始まり正式に研究員になりました。
職人さん訪問では、京都の職人さんの分業制でその場所場所で、異なった技に魅せられたり、様々な道具を見たり、ここでこうするのか、などいろんな発見があって楽しいですね。実は、もともと企画することも好きで、高校3年生の夏に大学が決まってからは、地元の山口でボランティア活動したり、近くの神社に企画を持ち掛けてイベントをするといった活動もしてきました。」
T5に入る前の高校3年生、合格後の大学0年生の時点でもうT5活動準備が始まっていた感じですね。今はどんな活動をされていますか?
「FabCafe KyotoでICGの職人さんを呼んでトークショウとICG「舌で味わう工芸」という企画に参加しました。大変好評でうれしかったです。
2回生の終わりからT5の体制が新しくなり、運営調整部に所属するようになりました。
ミーティングを設定、スケジューリングをし、活動によっては、各部署をつなぎ調整をし たりしています。
個人的には、今は和菓子にはまっていて、いろんな和菓子店をめぐっています。きっかけは大学の授業で取り組んだ、叡山電車と和菓子のコラボ企画で和菓子を楽しんでもらいながら電車の小旅行を楽しむ企画でした。そこで和菓子屋さんを訪ね、お手伝いをさせてもらったり、和菓子職人さん、ご主人からお話を伺っているうちに、和菓子にのめりこんでいきました。」
将来は!?
「京都の伝統文化にかかわる職、伝統文化に関係する仕事、紹介か継承に携わりたいですね。起業ですか…? う~ん、お金のことはあまり得意じゃないので、まずはどこかに就職して、ですね。」
こういった興味についてご両親もたいへん理解を示してくれて専門誌の購入など協力・応援してくれている。良好な親子関係も微笑ましい。
ひとつのことに集中したいのかと思いきや趣味をたくさん持っている。御朱印集めや、意外なことに編み物をしていた時期もあるらしい。今は和菓子屋さんめぐりがあくまでもメイン。家に帰れば、ディズニー+動画を楽しみ、真田広之プロデュースの『将軍』にはまり、昭和歌謡を聞いたり、まだまだ知られざる面が隠されている…毎回のミーティングの呼びかけや様々な調整にも手いっぱいだろうと思われるが、ひょうひょうと頑張っている。大きな可能性を秘めた気さくな青年だった。
研究員紹介
#11
瀧山璃空
文:杉浦康子(アートライティングコース卒)
アートやデザイン、歴史遺産など、それぞれの専門領域を横断するように集まった研究員たち。そもそもどんなきっかけで京都の伝統文化に興味を持ったのか。T5での活動と自身が学ぶ領域の関係をどのように考えているのかなど、このコンテンツでは、T5の研究員たちを月替わりで紹介します。