ご挨拶
#2019


新年のご挨拶


2018年 KYOTO T5の活動を通して、
伝統文化についてたくさん、
知らないことを知ることになりました。

年末に取材に行った学生が教えてくれたことは
「和傘は開いたら美しい傘で、閉じると1本の竹になる」
ということでした。

どういうことかというと、
和傘の骨は竹でできているのですが、
それは1本の竹を割いて作っている。
そしてその割いた順番通り、並べているので、
閉じると元の竹に戻る。
というのです。

たしかに触らせてもらった閉じた状態の和傘は
上から下まで太さが同じで「竹だ~!」となるのでした。

このようなことは知らない人が多いと思います。

そんな知らない人に
KYOTO T5は記事を届けたいと思っています。

いえ、実は僕は、和傘を触ったのが今年初めてでした。
なので、もうワンランク更に「知らない人」でした。

全然知らない人です。

KYOTO T5センター長の僕がこんな状態なので、
申し訳なく思いながらやっています。

しかし、開き直って、
知らないっていいなとも思うのです。

いろんなことが、新鮮です。

驚きと感動ばかりです。

めちゃ楽しい。

日本の、京都の伝統文化について、
僕みたいな人って、
すごくたくさんいると思います。

知ってる人の方が断然もう、
全然、少ないはずです。

だからKYOTO T5の活動は、
「知らない人たち」の視点をぜったいに忘れてはいけません。

僕は、知れば知るほど、
昔の日本人の叡智に嫉妬しています。

たくさんの人に興味を持ってほしいと願うのは、
少し前の何も知らなかった自分より、
ちょっと知った自分の方が、好きだからです。

日本人ってかっこいいなと思えると、
少し自分が好きになります。
日本人だから。

伝統文化を後世に繋いでいくというような大義より、
僕はそういう気持ちの方が強いです。

まだまだ知らないことばかりの無知な
“伝統文化イノベーション研究センター”ですが、
少しづつ、読者と共に知っていきます。

1年かけて、
たくさんの関係者で、いろいろやりましたが、
それでも全然まだまだ知らないことだらけだな、
と思わせる「京都」はやっぱり異常に深い都市ですね。

2019年、今年もよろしくお願いします。


新年のご挨拶
2019

文:
KYOTO T5 センター長
酒井洋輔

ご挨拶
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