About Whole Love Kyoto
#13


ICE CREAM GIFT|谷口彫刻工芸

今回は、ICE CREAM GIFT を制作していただいた職人さんにインタビューさせていただきました。ご紹介するのは谷口彫刻工芸の谷口知彦さんです。谷口さんによって生み出されます。 昔は京都産の菓子木型が多くありましたが、今では京都の木型職人は一人しかいなく、菓子木型をつくる職人は全国に数人しかいません。
そんな中木型に興味を持ち、だんじり彫刻などで何十年も培ってきた木工技術を活かして、谷口さんは数年前から木型を製作し始めました。

京都にたった一人の菓子木型職人がつくるアイススプーン

──初めて菓子木型の職人としてアイススプーンを作ってほしいと依頼された時はどう思われましたか?

面白そうだなと興味を持ちましたね。僕は元々木に彫刻をする仕事なんで、もとの木のアイススプーンに彫刻したら面白いなっていうのがありました。失礼かもしれへんけど、正直仕事を受けるっていう感じよりはちょっと遊び心というか、自分が単純に面白そうやなというのでやらせてもらいました。

──ご相談だったりいろんなタイミングで伺った時に、毎回何種類か菓子木型のアイススプーンを作ってくださってて嬉しかったです。

それもホンマに仕事って割り切ってたら限られた言われたことだけしかやらへんかったと思うんですけど、自分が興味持ったんで勝手に言われてもないのに何本かやってこんなのどう?とかやらせてもらいました。自分が興味を持ったというのがそこに出たのかなとは思います。

──すごくありがたいです。

そうだね。一番は石を機械でカットするときにパンと飛ばないか。それをクリアできればあとは磨くのは楽だからつくれる。

──スプーンの材料は菓子木型と同じ桜の木ですよね。

そうです。菓子木型をつくる時のあまりの部分でスプーンはできます。僕はだんじりで檜と欅はよく使ってたから手に入れようと思ったら別に難しくないけど、桜の木は扱ったことがないからわからなくて。近くの木材屋さんでも桜の木はないと言われて入手方法が分からなかったんですけど、道具屋さんに仕上げ鑿の柄に桜を使ってるっていうのを聞いて桜を扱ってる材木屋さん紹介してもらい、そこで買うことができました。

──苦労されて材料を手に入れているんですね。

──菓子木型のアイススプーンの谷口さん的推しポイントがあれば教えてください。

できるだけ食べやすいようにしたことですかね。彫りを入れるためにスプーンが分厚いから、すくいやすくするために先端の部分をできるだけ薄くして刺さりやすくしました。最初に試作したやつより改良してちょっと薄くなっています。

──真ん中に厚みがあった方がより丈夫にもなりますね。

そうですね。しかももとのアイススプーンの白樺の木より桜の木の方が硬いので、桜の木でこれくらい厚みがあればもっと強いです。実際にこの菓子木型のアイススプーンで食べて試したことあるんですが、この木自体の強度がやっぱり違っているなと。僕だけじゃなく色んな人に食べてもらいたいです。

──このスプーンをお客さんにどんなふうに使ってほしいなどありますか? 

実際に使ってもらえたらいいですね。

自分も参加させてもらった展示会の時にいろんな人が菓子木型のアイススプーンを見てくれて、すごいなみたいなことをを言ってくれたんです。でも大体の人がこんなんもったいなくて使われへんわみたいに言わはって。だからもったいなくて使われへんじゃなくて使ってほしいな。そのために塗料も塗って洗ったりできるようにしてあるのでどういう場面というよりとりあえず使ってほしいんです。

あとアイススプーンとして使って欲しいのは一番なんですけど、箸置きにもなるなと。

──箸置きいいですね。いろんな使い方を提案できそうです。

他には、洗って繰り返し使える木のアイススプーンなので、ホテルだったりレストランとかのお店でアイスを出す時にもおすすめですね。

──谷口さんが人にものを届ける時に意識されてることって何ですか?

自分で作るものに関しては極端な話であるけど、例えば相場1,000円のものをあげるとなった時に同じ値段のものを作ってあげるよりは、1,000円以上のものを作ろうっていうのはあります。

自分が値段よりいいものを作ったつもりでも、元々手仕事は高いものだから安いって思われないかもしれへんけど、自分で作るっていうのは値段以上のものを届けることができるからいいですね。

──見習いたいお心持ちですね。

逆に質問したいことがあって、ICE CREAM GIFTを菓子木型で作ろうってなったときにどうやって依頼されたんですか?

──はじめに菓子木型を取り扱っている堀九来堂さんへ行って京都に菓子木型を作っている職人さんいますか?と伺ったら、いなかったけど最近はじめた人がいるって谷口さんを教えていただいたんです。

そうだったんですね。京都の職人以外に頼む可能性もありましたか?

──このICG CREAM GIFTは京都の職人さんに作っていただいているので谷口さんがいなかったらできていないかもしれません。奇跡のアイススプーンですね。



About Whole Love Kyoto
#13
谷口彫刻工芸
谷口知彦

文:
高崎美萌(基礎美術コース)
鈴木穂乃佳(基礎美術コース)

撮影:
中田挙太

Whole Love Kyoto HP|ICE CREAM GIFT:
https://wholelovekyoto.jp/2020/08/21/ice-cream-gift-_-%e9%a4%9d%e9%87%91%e5%85%b7-%e3%82%a2%e3%82%a4%e3%82%b9%e3%82%b9%e3%83%97%e3%83%bc%e3%83%b3/

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今回は、ICE CREAM GIFT を制作していただいた職人さんにインタビューさせていただきました。ご紹介するのは谷口彫刻工芸の谷口知彦さんです。谷口さんによって生み出されます。 昔は京都産の菓子木型が多くありましたが、今では京都の木型職人は一人しかいなく、菓子木型をつくる職人は全国に数人しかいません。
そんな中木型に興味を持ち、だんじり彫刻などで何十年も培ってきた木工技術を活かして、谷口さんは数年前から木型を製作し始めました。