About Whole Love Kyoto
#14


ICE CREAM GIFT|浅田製瓦工場

今回は、ICE CREAM GIFT を制作していただいた職人さんにインタビューさせていただきました。ご紹介するのは京都伏見にある浅田製瓦工場さんです。
浅田製瓦工場さんは明治44年創業の京都唯一となった京瓦の工房。 時代に逆行するかのように手作りに拘りつづけ、手作りでしか対応できない歴史的建造物の修復など有名社寺の屋根を現在も飾っています。

軒上の瓦に触れる、使う

──初めてアイススプーンを瓦で作ってほしいとのお願い企画を聞いた時はどう思われましたか?

なんで瓦なん。どうしてこんな素材をスプーンのようなもん使うのかなっていうのはありましたね。

──この瓦のアイススプーン、やっぱりとても薄いじゃないですか。これを作る時にすごく苦労されましたか?

アイスクリームをすくい取る。その時にかなりの力が必要と聞いたので、最初一番薄く、できるだけ薄くした方がいいやろっていうことで薄くしてつくったら折れたと笑。もうそれはわかってたけどね笑。

だから、真ん中を厚くして折れにくくするようにと考えて、先は薄く真ん中は強度を持たせるようにするという方法をとった。アイスクリームを取る役目を果たせるようにしました。

──やっぱり何かアイススプーンとしての役割を果たすために結構工夫されて形を考えられたのですね。

一応ね、私なりに。

──普通の瓦と違ってアイススプーンなので口に含むものじゃないですか 。そういう点で異なる作業などはありましたか?

粒子を細かくすること 。普通の瓦ではそんなことをすることはまずないです。粘土をきめ細かく、それから表面をツルッとした感じに、と思って磨くようにしました。

──京瓦も磨いていますよね。

うん、磨く。磨いてはいるんやけども、普通の瓦よりスプーンの方ができるだけ舌触り良いように滑らかに磨く方がいいでしょうね。

普通の瓦は結構砂とか石が入ってます。だから、粘土を乾燥させて、24メッシュのふるいを通した粘土にするか、50メッシュのふるいを通した粘土にするかによって、舌触りが違うように思います。

──瓦のスプーンは普通の瓦より粒子が細かいんですね。

一応150メッシュのふるいはあるんで、それにしたらいいんやけども、150メッシュにすると細かすぎてふるいを通すことが難しい。

──大きい石が多いってことですか?

そうそう。粘土を金槌とかで細かくして、それからボールミルといって、陶器の容器に陶器でできたボールを中に入れて24時間コロコロ回転させて細かくなった粘土をもっと細かくする。大体24時間とか36時間ぐらいかけて転がしとったら粒子が細かくなっていく。

そういうふうにしてふるいにと通すんだけども、 150メッシュだと粒子が細いので、通りにくいということで人の手間が余計かかる。

──手間をかけて作ってくださってるんですね。粒子を細かくする以外はもうほとんど普通の瓦と工程は同じなんですか?

もう一緒です。

──ということは普通の瓦も口に含めますか?

僕らは普通瓦を口の中に入れてることはないですよ。でも害になることも何もないです。瓦は、もう不要になれば粉砕して土に戻すだけです。

──エコですね。

うん、もちろんエコ製品ですよ。

──このアイススプーンを実際に使ったことはありますか? 

うん 。使って食べましたよ。

──どうでしたか?

折れなかったですよ。笑

──結構強度があればどんなアイスでも食べれそうですよね。

うん。大丈夫そうよね。



About Whole Love Kyoto
#14
浅田製瓦工場
浅田晶久

文:
鈴木穂乃佳(基礎美術コース)

撮影:
中田挙太

Whole Love Kyoto HP|ICE CREAM GIFT:
https://wholelovekyoto.jp/2020/08/21/ice-cream-gift-_-%e9%a4%9d%e9%87%91%e5%85%b7-%e3%82%a2%e3%82%a4%e3%82%b9%e3%82%b9%e3%83%97%e3%83%bc%e3%83%b3/

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ICE CREAM GIFT|浅田製瓦工場

今回は、ICE CREAM GIFT を制作していただいた職人さんにインタビューさせていただきました。ご紹介するのは京都伏見にある浅田製瓦工場さんです。
浅田製瓦工場さんは明治44年創業の京都唯一となった京瓦の工房。 時代に逆行するかのように手作りに拘りつづけ、手作りでしか対応できない歴史的建造物の修復など有名社寺の屋根を現在も飾っています。