From T5
#研究員紹介|02


災い転じて…… 充実の大学生活。今が楽しい!

KYOTO T5(以下、T5)は京都芸術大学の通学部、通信教育部に通う学生メンバーで構成されており、京都の伝統文化についてのリサーチ・研究を行なっています。

アートやデザイン、歴史遺産など、それぞれの専門領域を横断するように集まった研究員たち。そもそもどんなきっかけで京都の伝統文化に興味を持ったのか。T5での活動と自身が学ぶ領域の関係をどのように考えているのかなど、このコンテンツでは、T5の研究員たちを月替わりで紹介します。

今回、紹介するのは歴史遺産学科3年生の筒井 希緑(きみどり)さん。一度聞いたら忘れられない、素敵な名前はお父さんが結婚する前から考えていたもので、お母さんと相談して漢字を「希緑」とすることで実現したそうだ。


T5での活動

希緑さんはT5で、「伝統工芸にイノベーションを生み出す新製品の企画・開発・販売」に取り組むチームのリーダーを務めている。

今、取り組んでいるテーマは小さな陶器製の菓子型。菓子型は和菓子の成形に必要な道具だ。現在、木製の菓子型が主流の中、京都には陶器製の菓子型を作る職人さんは1人しかいない。伝統を重んじる職人さんは、昔ながらの使い方を念頭に作り続ける。

逆にチームのメンバーは、今の生活に馴染ませることで、「もっと菓子型を世の中の人に知ってもらえるのではないか」と、昔ながらの使い方と違う発想をしてみる。すると、小物入れや、絵の具用小皿、醤油皿など、アイデアが次々と浮かんできた。

学生の新たな視点から、工芸品の位置づけを少しずらすことにより新たな意味が生まれ、そこからイノベーションが起こるかもしれない。


T5に参加したきっかけ

文化財の修復を学びたくて、歴史遺産学科のある本学に入学した希緑さんだが、コロナの影響で、入学早々、講義はすべてオンラインになり、遠く離れた東京の実家でパソコンに向き合う大学生活が始まる。サークルにも参加できず、人と触れ合う機会もほとんどないまま1年が過ぎ、2年生になるときT5に巡り会う。

「元々、工芸や着物が好きだったので、もしかしたら面白いかもしれない」、「いろんな学科の人とつながりたい」、「ちゃんと大学生活を楽しんでみたい」などの思いからT5に参加することにした。コロナの中、もう1つ熱中しているのがベーグル作り。もしコロナがなかったら、T5にも入っていなかったかもしれないし、ベーグルをひとり家で作ることもなかったかもしれない。


これからやってみたいこと

今後は、京都以外の地域でも展示会等を開催して、「T5の認知度を高めていきたい」と抱負を語る希緑さん。T5の活動を通して、「工芸と職人さんが好きだ」と再認識し、卒業後は「文化財の修復とか、京都らしいものに関係する仕事に就きたい」と話す。

「今が楽しく充実しているので、過去や未来のことを思い悩むことがなくなった」と充実した今を生き生きと語ってくれた。


研究員紹介
#02
筒井希緑

文:今城偉賀(芸術教養学科)

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#研究員紹介|02


災い転じて…… 充実の大学生活。今が楽しい!

KYOTO T5(以下、T5)は京都芸術大学の通学部、通信教育部に通う学生メンバーで構成されており、京都の伝統文化についてのリサーチ・研究を行なっています。

アートやデザイン、歴史遺産など、それぞれの専門領域を横断するように集まった研究員たち。そもそもどんなきっかけで京都の伝統文化に興味を持ったのか。T5での活動と自身が学ぶ領域の関係をどのように考えているのかなど、このコンテンツでは、T5の研究員たちを月替わりで紹介します。