From T5
#研究員紹介|10


泣き虫さん!?でも挫けず、たおやかに……

KYOTO T5(以下、T5)は京都芸術大学の通学部、通信教育部に通う学生メンバーで構成されており、京都の伝統文化についてのリサーチ・研究を行なっています。

アートやデザイン、歴史遺産など、それぞれの専門領域を横断するように集まった研究員たち。そもそもどんなきっかけで京都の伝統文化に興味を持ったのか。T5での活動と自身が学ぶ領域の関係をどのように考えているのかなど、このコンテンツでは、T5の研究員たちを月替わりで紹介します。

今回ご紹介するのは笠浪萌愛(かさなみもえ)さん、ファッションデザインコース・ジュエリー専攻3回生だ。Whole Love Kyoto のブランディング担当で、大阪万博を盛り上げるため某新聞社との企画で学生リーダーをされている。お人形さんのような可憐な印象の彼女のどこにそんなパワーがあるのだろうか。興味深く話を聞いてみた。


小さな頃はどんなお子さんでしたか?

小学校の頃は泣き虫で学校に通えないくらい号泣していた時期もありました。両親とも働いていて、放課後の学童保育でも最後まで残り、ひとりでお迎えを待つことがしょっちゅうでした。それで両親と離れるのがいやだったんだと思います。さらに、高学年の一時期仲間外れにされたこともあって、学校に行けないときもありました。


大学に向けて

高校1年生のときに京都芸術大学のオープンキャンパスにいったことで、すぐにこの大学に入学しようと決めました。それ以来、何度も京都芸術大学のオープンキャンパスに参加しています。参加すればするほど合格率が上がると言われて……結局それは関係なかったようですが。

小さなころから洋服が好きで、お母さんにたくさん服を買ってもらっていました。それでファッション関係に関心をもつようになり、進学先をファッションデザインコースに決めました。


T5に入ったきっかけはなんですか?

T5に参加したのは、授業の補佐に来ていた先輩に誘われたからです。今ではそれがとてもラッキーだったと思っています。京都の伝統文化を守ることやそこに関わることを特別に意識したわけではないけれど、自分のデザインに今までだったらあり得なかった日本的な要素を無意識に取り入れていたりと、いつの間にか影響が出ていました。人と違うことをしたかったので、そういう意味でもすごくよかったなと思います。


1年生のころからさまざまなプロジェクトに挑戦されていますね

MIZUHIKI SANDALというプロジェクトにかかわり商品開発していたのですが、思うように活動できず大泣きして先輩たちに助けてもらったこともありました。最終的に、そのプロジェクトでの製品化はかないませんでした。

その他の活動では、展示空間の演出を任されることもありました。そのとき初めてセンター長の酒井先生に褒めてもらい自信がつきました。

そして2回生になり任されたのが京都会議所にてひとりでプレゼンをするということでした。事前のプレゼン練習で厳しいことを言われて緊張のあまり食事ものどを通らないほどでした。大変なことも多いですが、T5の活動はやりがいがあり楽しいです。日本の伝統文化についても全く興味がなかったのですが、まわりの研究員の影響でその良さがわかりはじめ、それを人に話したい・伝えていきたいと思うようになりました。


将来の希望はありますか?

これっといった具体的な希望はまだないのですが、人に自分が何をしているか自信をもって紹介できる仕事で企画やデザインをしたいです。

可憐な印象を裏切らない泣き虫だったエピソードもいくつか登場したが、ご両親の愛情をたっぷり受けて育ったその心身には折れない強さが感じられた。そしてなかなかの甘え上手!? このバックグラウンドがT5でのさまざまな活動に責任をもって取り組むエネルギーとなっているのだろう。 大阪万博関連のプロジェクトもいよいよ佳境に入り、リーダーを務める彼女の表情もきりりと引き締まってきた。初めてインタビューをしてから6か月が経ち、確実に活動を続けてきたという充足感が自信になっているようだ。そして彼女はさらにT5の活動を経験することで、たおやかな女性に成長されるに違いないと思う。ここにもまた将来が楽しみな研究員が見つかった。


研究員紹介
#10
笠浪萌愛

文:杉浦康子(アートライティングコース)

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#研究員紹介|10


泣き虫さん!?でも挫けず、たおやかに……

KYOTO T5(以下、T5)は京都芸術大学の通学部、通信教育部に通う学生メンバーで構成されており、京都の伝統文化についてのリサーチ・研究を行なっています。

アートやデザイン、歴史遺産など、それぞれの専門領域を横断するように集まった研究員たち。そもそもどんなきっかけで京都の伝統文化に興味を持ったのか。T5での活動と自身が学ぶ領域の関係をどのように考えているのかなど、このコンテンツでは、T5の研究員たちを月替わりで紹介します。