今回ご紹介するのは、空間デザイン学科3回生の井下田美緒(いげたみお)さん。そのスラリとした容姿と本人紹介の写真に、ファッションモデル!?と思わず想像してしまった。彼女は、T5の研究員に間違いないのだが、どうしても気になり単刀直入にうかがってみたところ、やはりモデルだった。高校時代に被写体として写真部に所属され今でも時々お仕事としてモデルをつとめられているという。
そんな彼女は、どうしてここに? そこのところうかがってみた。
京都芸術大学を選んだ理由は…
「もともとは推薦で大学に行くつもりでした。けれど条件が合わずだめだったんです。そんな時、友達に誘われて京都芸術大学のオープンキャンパスに参加しました。高3の夏のことでした。他大学のオープンキャンパスで多く感じた堅苦しさがなく、和気あいあいとして活気があり、大学の魅力を伝える目を引くプレゼンが印象に残り、これから芸術は必要になってくるのだろうなぁという気持ちになりました。絵を習ったことも、ものつくりが得意だったわけではないのですが入学をめざすことにしました。」
T5での活動は…
「2回生の時に、京都100年かるたのインタビュー要員を募集していたんです。そこに応募、けっこう人数いたんですけれど、この活動期間終了間際に先輩に声をかけていただき引き続き活動に参加しています。はじめの頃は「これやってね」と頼まれたことを言われるがままするだけで継続されるプロジェクトにまで発展しなかったのです。今は、HANAOシューズJAPANのプロジェクトのマネージメントをしてグループ内のタスクの進捗状況など管理しています。月に4件くらいのインタビューの進捗状況をチェックしたり、催事の打ち合わせをしたり、いつも締め切り仕事に追われ大変じゃない時がない、というくらい大変ですが“何事も楽しんやる”ということを大切にしています。たまに職人さんとのコミュニケーションの中で、お礼を言われたり優しい言葉をかけていただいたりしたときに、やっていてよかったなぁと思います。」
こういったことがモチベーション維持につながり、活動を続けていく原動力にもなっているようだ。
大学、T5、そのほか二つもアルバイトを掛け持ちしているという…それにたまのモデル活動。そこでは、カメラマンと被写体である自分できめた世界観のなかで、自由に自分を表現することがあるという。写真を撮るより写真を見るか写真を撮られる方が好きだという彼女は芸術的訓練の経験がないと言いつつ、こういった行動志向より十分に芸術大学への片鱗がうかがえる。
これらの活動で相当忙しいはずだが、涼しい顔をしてやってのける彼女の大人びた雰囲気がT5の活動のマネジメントという立場にマッチしているように思えた。なんとなくカリスマティックなのだ。
好きなことをうかがうと、家で飼っている猫との戯れや好みの服を探すためスマホチェックしていると答え、あどけない普通の女子大生の顔もみせてくれた。
「この大学に入って友人から“性格がマイルドになった”といわれるんです。思いもしないところでこの大学に入学することになったけれどいいご縁だったと感じています。」
彼女もまた、充実した大学生活に満足している様子である。笑顔で語るその姿にさわやかな風を感じた。
研究員紹介
#07
井下田美緒
文:杉浦康子(アートライティングコース)
アートやデザイン、歴史遺産など、それぞれの専門領域を横断するように集まった研究員たち。そもそもどんなきっかけで京都の伝統文化に興味を持ったのか。T5での活動と自身が学ぶ領域の関係をどのように考えているのかなど、このコンテンツでは、T5の研究員たちを月替わりで紹介します。