From T5
#研究員紹介|06


目標がないが目標。それが面白い!

KYOTO T5(以下、T5)は京都芸術大学の通学部、通信教育部に通う学生メンバーで構成されており、京都の伝統文化についてのリサーチ・研究を行なっています。

アートやデザイン、歴史遺産など、それぞれの専門領域を横断するように集まった研究員たち。そもそもどんなきっかけで京都の伝統文化に興味を持ったのか。T5での活動と自身が学ぶ領域の関係をどのように考えているのかなど、このコンテンツでは、T5の研究員たちを月替わりで紹介します。

今回ご紹介するのは、T5のリーダー安彦美里(あびこ みさと)さん。現在、美術工芸学科基礎美術コースの2回生だ。細い体からは想像できないアクティブな身体とポジティブな精神の持ち主である。まさに今年の初めを飾るにふさわしい人物だ。

出身は兵庫県。京都芸術大学に入ったきっかけは「伝統文化」を学べる大学だったこと。もともとは絵やファッション、アニメなど幅広い視点から自らの可能性を模索していたが、合同説明会で日本の伝統文化を学べる基礎美術コースに出会い、「これだっ!」とピンときた。もちろん、ご両親は娘が自宅近くの大学に行くものだと思っていたから、この決断には驚いたようだが、最後には涙ぐみながらも優しく送り出してくれたという。


T5に参加したきっかけ

KYOTO T5への参加は、基礎美術コースの先輩から話を聞いたのがはじまり。伝統文化やそれを守る職人さん、そしてそれを広める活動はT5のWEB記事を読んでいくうちに次第に興味が高まっていったという。

取材当時はちょうど学園祭の準備期間中ということもあり、黒谷和紙のプロジェクトに力を注いでいた。このプロジェクトは、京都の職人さんの端材(金箔の端切れなど)を集めて販売するというもの。目標売上は2万円。「売れたらいいな~」と謙虚ながらもその声は期待に満ちていた。販売については素人のため、Whole Love Kyoto の仲間たちや先生からアドバイスをもらっている。

Whole Love Kyoto は、T5が行うリサーチ内容を製品として具現化し、販売までを行っている卒業生と学生たちの組織だ。このT5とWhole Love Kyotoの協同作業によって人との輪が広がり、新しい発見につながっていることが安彦さんの中で大きな成長となっているようだ。


今後の目標

日々を切磋琢磨しながら生き生きと過ごしている安彦さんに今後の目標を聞いてみた。

「目標はつくらない、目標がないが目標」と笑って言った。その突飛な発言にとても驚いたが、本人はいたって真面目だ。「目標を作って頑張るよりも、目標をつくらずに突っ走りたい。きっとなるようになるし、その方が面白い」と力強く語った。まだ大学生なのに、人生を謳歌するという意味がわかっているようだ。

最後に、人生の中でなんでもできるとしたら何をしたい? という質問に、「羊が好きだから羊と戯れてモフモフしたい」と、またまたこちらが想像しなかった回答が返ってきた。本当に彼女の可能性は計り知れない。これから卒業するまでにどんな活躍をしてくれるのか、期待は高まるばかりである。


研究員紹介
#06
安彦美里

文:村越 美里(グラフィックデザインコース)

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#研究員紹介|06


目標がないが目標。それが面白い!

KYOTO T5(以下、T5)は京都芸術大学の通学部、通信教育部に通う学生メンバーで構成されており、京都の伝統文化についてのリサーチ・研究を行なっています。

アートやデザイン、歴史遺産など、それぞれの専門領域を横断するように集まった研究員たち。そもそもどんなきっかけで京都の伝統文化に興味を持ったのか。T5での活動と自身が学ぶ領域の関係をどのように考えているのかなど、このコンテンツでは、T5の研究員たちを月替わりで紹介します。