温新知故
#11


京の路地の音風景

京都のアートやクリエイティブ活動の最新事情を訪ねてみると、その奥には必ず伝統という財産が豊かに広がっていたりする。
いわゆる「古きを訪ね新しきを知る」という視点からではなく、むしろその逆、新しいものの向こう側にこそ垣間見えてくる京都の先人たちの、技や知恵。

この対談シリーズでは、若い職人さんやアーティスト伝統文化の世界ではない人からの視点も交えた異色の対談集というかたちで京都の伝統文化に新しい光を当ててみたい。

野中智史×岸田繁

左から野中智史、岸田繁

野中智史
(三味線職人/三味線奏者)

1982年生まれ。京都市出身。
幼少の頃から三味線演奏の稽古をはじめる。
高校を卒業後、園部町(現南丹市)の京都伝統工芸専門学校を卒業後、三味線製造・販売「今井三絃店」に入り、職人(棹制作)修業に入る。
それとともに演奏会や舞踊会等の本格的な三味線演奏は辞める。

職人修業を始めてから数年後、かねてよりお世話になっていたお茶屋さんから座敷での演奏を頼まれることや、落語会の出囃子や色物出演なども増えていく。

現在は三味線職人として、弾き手として活躍するほか、講演会や三味線体験教室などもおこなっている。


岸田繁
(作曲家/くるり/京都精華大学特任准教授)

1976年生まれ。京都市出身。
1996年、立命館大学在学中にロックバンド・くるりを結成。
ボーカル、ギター、作詞作曲を手がける。
1998年、シングル「東京」でメジャーデビュー。
その後も「ばらの花」「JUBILEE」「言葉はさんかく、こころは四角」「Remember me」などヒット曲を多数輩出。現在、くるりとしてオリジナルアルバム12枚を発表している。

2003年、くるり名義で『ジョゼと虎と魚たち』のサウンドトラックを手がけ、2011年に『奇跡』で劇伴と主題歌を担当。また映画「まほろシリーズ」では岸田繁名義で劇伴を担当している。

2007年から現在まで毎年9月に開催される京都音楽博覧会の主催や、2016年からは京都精華大学の客員教授、翌年からは特任准教授を務めるなど地元・京都での活動も多く、2017年より京都府文化観光大使も務めている。

同年には京都市交響楽団とともに「岸田繁『交響曲第一番』初演」を発売。
続けて2019年3月「岸田繁『交響曲第二番』初演」を発売した。

●岸田繁オフィシャルサイト
https://shigerukishida.com

●くるりオフィシャルサイト
http://www.quruli.net



温新知故
#11
野中智史×岸田繁

文:
松島直哉

撮影:
平居 紗季

岸田繁オフィシャルサイト
https://shigerukishida.com

くるりオフィシャルサイト
http://www.quruli.net

温新知故
#11


京の路地の音風景

京都のアートやクリエイティブ活動の最新事情を訪ねてみると、その奥には必ず伝統という財産が豊かに広がっていたりする。
いわゆる「古きを訪ね新しきを知る」という視点からではなく、むしろその逆、新しいものの向こう側にこそ垣間見えてくる京都の先人たちの、技や知恵。

この対談シリーズでは、若い職人さんやアーティスト伝統文化の世界ではない人からの視点も交えた異色の対談集というかたちで京都の伝統文化に新しい光を当ててみたい。