温新知故
#21


作家という性(ジェンダー)に生まれて。

京都のアートやクリエイティブ活動の最新事情を訪ねてみると、その奥には必ず伝統という財産が豊かに広がっていたりする。
いわゆる「古きを訪ね新しきを知る」という視点からではなく、むしろその逆、新しいものの向こう側にこそ垣間見えてくる京都の先人たちの、技や知恵。

この対談シリーズでは、若い職人さんやアーティスト伝統文化の世界ではない人からの視点も交えた異色の対談集というかたちで京都の伝統文化に新しい光を当ててみたい。

望月めぐみ(切り絵作家)× SHOWKO(陶芸家/SIONE主宰)

左から望月めぐみ、SHOWKO

望月めぐみ

1978年神奈川県横浜市生まれ。2013年以降は京都市在住。
東京学芸大学教育学部美術工芸専攻在籍中の2002年より、切り絵作家として活動開始。
一枚の紙を刻んで生まれる切り絵特有の緊張感のある透過美を活かし、寺院や茶室といった伝統建築における大型のインスタレーション作品を多く手掛ける。テーマは古今東西の神話や思想。京都を拠点に歴史遺産に学び、人間の普遍の精神性を現代作品として再創出する。
また、素材への関心から国内外の紙漉きの取材を続けている。

著書に「平安絵巻の素敵な切り絵」(PHP研究所)。スイス切り絵協会会員。

望月めぐみ HP


SHOWKO

京都出身。330年続く、京都の茶陶の窯元に生まれる。佐賀での修行の後自身の工房にて陶板画制作をはじめる。その後、グラフィックデザインなど他業種の経験をもとに2009年、自身のブランド「SIONE(シオネ)」を立ち上げる。全国で多数の企画展を開催し、2011年より海外で本格的に展開。
同年、LEXUS NEW TAKUMI PROJECTの京都代表に選出され、プロジェクトに参加。
近年は、「陶」という素材の意義をあらためて模索し、自身が制作した器を割り、再度継ぎ直す表現で、「高次元」や「時」を表す作品を発表している。
その後も日本の文化を通して器の可能性を探求し続けている。
活動のコンセプトは「時空を超えた手紙」。人の前向きな生きる力を呼び起こしたいと考えている。
2022年1月に、著書「感性のある人が習慣にしていること」上梓。二児の母。

SIONE HP



温新知故
#21
望月めぐみ×SHOWKO

文:
松島直哉

撮影:
福森クニヒロ

望月めぐみ HP:
http://www.mochime.com

SIONE HP:
http://sione.jp

温新知故
#21


作家という性(ジェンダー)に生まれて。

京都のアートやクリエイティブ活動の最新事情を訪ねてみると、その奥には必ず伝統という財産が豊かに広がっていたりする。
いわゆる「古きを訪ね新しきを知る」という視点からではなく、むしろその逆、新しいものの向こう側にこそ垣間見えてくる京都の先人たちの、技や知恵。

この対談シリーズでは、若い職人さんやアーティスト伝統文化の世界ではない人からの視点も交えた異色の対談集というかたちで京都の伝統文化に新しい光を当ててみたい。